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飲食店をはじめる
「飲食店をはじめるのでお米を仕入れたいのです。」
「どんなお米がありますか?できれば価格が安くてそこそこ美味しいお米」
年間何件かこういうお問い合わせをいただきます。
はっきり言ってこういうお問い合わせの内容はあまりおすすめしません。
飲食店をはじめるというのを伝えていただくのは良いです。
だから、お米が必要なので仕入れたい。これも良いですね。
どんなお米があるのか?
どんなお米がありますか?ま、これも良いかな。
しかし、ご自身がこういう感じのお米というのがあればより良いです。
例えば、硬い、軟らかい、粘りがある、あっさり、などですね。
その方がこちらとしてもご紹介しやすいです。
だってもしあなたの好みが硬いお米なのに私が軟らかいお米をすすめて試食していただいても美味しく感じないかもしれません。
産地や品種を決めておられるのであれば一番手っ取り早いです。
大抵のお米は特殊なものでない限り仕入れることが可能です。
正直言って、米屋としてはありがたい指定です。
産地品種が指定通りなら多少品質に問題があっても言い訳できますから。
ただし料理によっては適性の品種がありますから試してみるのもいいですね。
価格は
「できれば価格が安く」ですが、あなたの「安い」はいったいいくらくらいなのかがわかりません。
1kgが300円、400円、500円 ・・・・・・ その方によって「安い」は違いますからだいたいのご予算を言っていただいた方がお米を紹介しやすいです。
そうでないと、例えば1kg単価1000円のお米が700円に値引きします。3割引きですね。ある意味お買い得です。
かと思えば、1kg350円のお米を315円にしますとなると1割引きです。
前者は300円安く、後者は35円安い値引きの金額にしても割合にしても前者が安くなっています。
でも小売価格では、後者の方が半値以下ですよね。
例えなので極端な価格にしていますがどちらの「安い」が良いのでしょうかということです。
良い商品がお得な価格で仕入れられる方か
品質はどうでもいいから安い方がいいのかです。
美味しさの基準は?
「そこそこ美味しいお米」ってなにを基準にされているのでしょうか?
あなたにとって、そこそこ美味しいお米なのか、お客様が召し上がってそこそこ美味しいと感じていただけるお米なのかわかりません。それとも私がそこそこ美味しいと感じているお米でしょうか。
例えばA、B、C、D、E、Fの6つのお米があるとしましょう。
Aが一番美味しいお米です。BCDEと少しずつ食味が悪くなりFが一番美味しくないお米です。
この場合はそこそこ美味しいお米ってどれでしょうか?
Aは一番美味しいので、「そこそこ」ではないですよね。
Bは2番目に美味しいのでC以下に比べるとそこそこ美味しいという言い方ができます。
CもD以下に比べるとそこそこ美味しいです。D、Eも同じように下のお米よりそこそこ美味しいといえます。
じゃ一番美味しくないFはどうでしょうか?
A~Eに比べると美味しくないですが、食べてみるとそれなりに、そこそこ美味しいかもしれません。
長々と何が言いたいのか!とおしかりを受けそうですが
結局そこそこ美味しいというのはまずくなければいいということでそれは人それぞれ感覚が違うということです。
ですから、その「そこそこ美味しい」を米屋まかせにするのか、それともご自身で選ぶのかということです。
もっと言えばお客様にだすお米をはじめから「そこそこ美味しい」でいいのかということです。
正解は、もっとも美味しいですよね。
でも予算がありますから、その価格でもっとも美味しいお米がベストです。
ということは、あなたのお店でお米にどれくらいの予算を考えているのか明確にしなければいけません。
それが決まれば、近くのお米屋さんにこれくらいの価格でベストなものをと相談すればその価格で美味しいお米を選んでくれるはずです。すくなくとも私の店ではそうしています。
ここでご注意いただきたいのは、産地品種を指定し価格を指定した場合です。
業務店さんの場合月間や年間の販売数量により価格の値引きをする米販売店が多いですが産地品種価格すべてを指定した場合絶対無理な価格ということがあります。
お米を多く使用する飲食店さんほど価格の影響が大きいですがあまり無茶な価格を要求すると米販売店によってはその価格を了承しとにかく注文をいただく。そして違うお米を納品するということにもなりかねません。
事実そういうことが起こっています。
そうなるとどうなるか。
その悪質性や規模にもよりますが、違う米を納品していた米販売店はもちろん名前の公表など社会的制裁、刑事事件になるケースもあります。
実際に毎年業界紙にはそういう報道も掲載されています。
それでは、違う米を納品していた飲食店はどうなるでしょうか?
このように納品している業者が公表されるほどの場合は、大抵納品先の飲食店などの名前も公表されることが多いです。
知らなかったとはいえ違うお米のご飯を提供していたことになりお店の信用問題になります。
メニューや店内に表示が義務付けられているお米の案内が「新潟県コシヒカリ使用」など産地品種を書いていると違う産地や品種だと完全に×です。
産地品種指定でなく「国内産米使用」なら違うお米が日本米なら問題はありません。しかし外国産米を混ぜられていたら×です。そういうケースもありました。
上記のように大事にならない場合でも品質の悪いお米を混ぜられると「あのお店のお米まずい」ということになりイメージダウンになります。
また、産地品種が同じなら古米でも良いことになります。品質が悪い等級の低いお米でも産地品種が同じなら表示的には問題はありません。
本物だがまずいお米ということもあります。
極端に安い価格で産地品種を指定するとかえってお店にとって逆効果になることがあります。もちろん産地品種を指定しなくても極端に安い価格のお米の要求はトラブルになりやすいです。
どうしてもその産地品種を納品してほしいのであればお米屋さんとじっくり相談し、お互い歩み寄りながら価格を決めることをおすすめいたします。
産地品種を指定しなくて価格だけの場合も同じです。
特に私のような自営業の米屋はその飲食店さんに納品しているお米の評価が自分の店に直接影響を及ぼすことになるので、予算のなかでできるだけ品質のよい美味しいお米を納品することを心掛けています。
そうすることにより、「このお店のお米美味しいね、どこのお米ですか?」と飲食店さんに質問され私の店を聞いたお客様から直接ご注文をいただくことも何回となくございました。
ですから、飲食店さんに美味しいお米を納品することが宣伝のひとつとも考えています。
だから、まずいお米なんか入れられません。
そういうこともあり、「コシヒカリ●●●●円にしてくれませんか?」とか「10kg(凄く安い価格)○○○円で」と飲食店さんに要求されて
「その価格ではととも無理です」と言って契約できなかっことも何度かあります。(苦笑)
まぁ、お店によっていろいろ考え方がありますから仕方がないですね。
飲食店におけるお米の重要性
先ほども少しふれましが飲食店にとってお米はとても重要だと考えています。
お米を扱わない飲食店は別として、お米の食味の良し悪しで他の料理の評価も変わってくるといっても良いでしょう。
「最後に出すご飯が美味しくないとそれまで出していた料理まで台無しになってしまう」高級料理店のご主人も言っています。
大衆食堂でも「ご飯がまずいと食べた気にならない、満腹感がない」という声が。
たしかに、お昼などおかずだけではお腹がふくれませんよね。
私はお米マイスターという資格をもっているのですがそのお米マイスターの事務局が作った飲食店さん向けのガイドブックのような冊子があります。
美味しいお米で商売繁盛というものです。
そのなかに、実は繁盛店で効果を上げているのが「ごはん」の見直しです。ということが書かれています。
例えば、そばかうどんは選べる。温かいか冷たいかも選べる。なのに、なぜ「ごはん」は選べないのでしょう?
その月によってお米の種類を変えることもお客様の楽しみの1つになるかもしれません。
お茶碗の形状や盛り付け具合などを、お米によって変えて出す。
季節の食材と組み合わせた「ごはん」メニュー
メニューにただ「ごはん」や「ライス」だけでは売れません。炊き込みご飯、まぜごはん、おにぎり、丼ものなどバラエティに富むメニューを画像付きでつくる。
等々、飲食店コンサルタントの方のアドバイスが盛りだくさんあります。
このように「ごはん」は飲食店の売り上げにも影響するのです。
もっともお米マイスターからの冊子ですから重要視するのは当然ですね。(笑)
この冊子22ページあるのですが、炊飯のトラブルQ&Aなども書いてあり便利です。
今なら、ほんの少しだけですがありますのでもしご入用ならLINE@に登録してその旨お伝えください。
ほんとうに少ししかないので登録していただいた時にすでに無くなっている場合もございます。その際はご容赦ください。
ご意見ご質問がございましたら下記LINE@にご登録いただいてメッセージをいただくかお電話にてお問合せくださいね。