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お米の栽培方法
お米の素になる稲(いね)。
秋になれば田んぼには黄金色の稲がたわわに実っていますよね。
その稲を栽培する方法もいろいろあるんですよ。
私は、お米マイスターというお米屋さんの組合が認定している資格を持っています。
テレビや雑誌で取りあげられることもあるのでご存知の方もいらっしゃるでしょうね。
そのお米マイスターの事務局からお米の情報誌を定期的に発行しています。
以前発行された情報誌の中にいろいろな栽培方法がわかりやすく紹介してあったので私の補足も含めて説明しますね。
稲には大敵がいっぱいいます
田植えがすめば、後はほっておいても秋になれば収穫できる。
いえいえ、お米作りはそんな簡単なものじゃないんですよ。
そんなに簡単なら私の店で販売する米を全部自分で作ってます。(笑)
稲の病気
稲にも人間と同じで病気にかかることがあるんです。
それでは、稲の病気にどのようなものがあるのかを紹介します。
いもち病(稲熱病)、紋枯れ(もんがれ)病など菌が伝染することで起こる病気は田んぼ全体にひろがり大きな被害をだします。
稲の害虫
カメムシ類、ツマグロヨコバイ、ウンカ類が吸汁やウイルス病を媒介するため、稲の生育や収穫に影響を与えます。
中でもカメムシは、実りはじめた籾に穴を開け、中の栄養分を吸ってしまい斑点米の原因になります。
※籾(もみ)は、玄米を包んでいる皮です。斑点米は米粒に大小の斑点があるものです。
水田の雑草
イヌビエ、ホタルイ、オモダカなど水田の雑草は、稲に必要な栄養分や日光を奪ってしまうので稲が育たなくなってしまいます。
栽培方法の意味はこういうことから
病気や害虫を退治するための「殺菌、殺虫剤」
雑草を枯らす「除草剤」などによって稲を守ります。
しかし、環境保護や農薬を使う農家自身の健康の問題から、近年では農薬を減らす傾向にあります。
有機栽培 農薬と化学肥料の両方を使用しないで栽培する方法で、有機登録認証機関より有機認証を得ると有機JAS認証事業者として有機栽培であることを米袋に表示できます。
特別栽培 農薬と化学肥料の両方を使用しないで栽培する方法で有機認証を受けていないものや、農薬の使用回数と化学肥料の窒素成分をその地域が普通に栽培する基準値よりも50%以下に減らした栽培方法です。
農薬を減らす栽培方法の取り組み例
農薬を使わないことが一番です。しかし、すべての農家が手作業で虫をとり草を抜いていくことは労働負担が重く、コストがアップします。そのため、農薬・化学肥料を減らすための様々な栽培方法が生まれているのです。
自然を活用した農法例
動植物を使うことで、農薬の使用を抑えます。
アイガモ農法
アイガモのひなを水田に放して雑草や害虫を駆除してもらいます。また、アイガモの排泄物が肥料となり、アイガモが水田を泳ぎ回り、稲の株元をくちばしでつつくため根の張りが良くなるといわれています。
鯉(こい)農法
水田に鯉を放し、雑草や害虫を食べて除草してもらう方法です。
ただ、日照りが続くと水田の水温が上がり、鯉が駄目になる場合もあります。
レンゲ農法
秋に水田にレンゲを播いて翌春に刈り取ります。レンゲが枯れて分解することにより雑草の種が発芽する力を奪います。またレンゲは肥料にもなります。
ハーブ農法
水田の畔にハーブを植えて、ハーブに含まれる成分で害虫を遠ざけると同時に一部の雑草を抑制します。
特殊資材を使った主な農法例
病気や害虫に強い稲に育つためには土を豊かにすることが大切です。
そのため時間のかかる堆肥つくりを合理化していく方法が研究されています。
有機資材や微生物が土を元気にし、しっかりした稲が実る手伝いをするといわれています。
有機たい肥農法
海藻などのミネラル成分と動物有機をあわせた有機肥料を使用します。有機肥料にはミネラルなどの栄養素が含まれるので、稲だけでなく土の中の微生物にも栄養を与えます。主なものにアルギット農法、酵素農法などがあります。
微生物農法
微生物や麹などの細菌などを土にまくことで、土を活性化し丈夫な稲を育てます。主なものにEM農法、島本微生物農法、ピロール農法などです。
土壌改良剤を用いる農法
改良剤をまくことで、土質に変化をもたらし、作物が育ちやすくします。主なものに息吹農法などがあります。
栽培方法の一部だけご紹介しました。まだまだ、書ききれないほどの栽培方法があります。
こうして、いろいろな栽培方法で美味しいお米を届けるために生産者のみなさんは日々努力されているのですね。
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