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雑誌の取材
私の店でお米を納品している業務店さんに雑誌の取材があり使用しているお米の品種が何かを質問されたそうです。
そのお店のご主人が「お米屋さんにまかせていますからちょっとわからない」と答えたそうです。
で、その後私に「どこのお米」と質問されました。
このお店のお米は私が厳選し試食を繰り返しながらベストな食味になるようにブレンドしたオリジナルのお米です。
その年毎、月毎に割合を変更したり原料米を少し変えたりして食味を調えています。
ですから正確にお伝えするなら、
現在の原料米は〇〇産の〇〇〇〇と●●産の●●●●●です。
というような説明になります。
毎回同じお米が同じ味ではない
この業務店さんのお米に限らず、家庭用のお米にしても厳密に言えば同じお米でも毎回食味が違います。
もちろんまったく食味が違うというわけではありません。
しかし、同じ産地の同じ品種のお米でも生産者が違えば品質や食味や匂いなども違います。
同じ生産者の同じ品種のお米でも田んぼの場所によって品質や食味が違います。
さらには、そのお米が収穫されてからの日数、精米方法、保管状況などによっても品質や食味や匂いは違います。
食味などの違いがわからないお米からけっこうわかるくらいに違うものまで同じ産地品種でもお米の食味に差があります。
ですから、米屋にとってはお米の試食は絶対に欠かせない大切な作業になります。
そして、産地品種を決めた単品販売のお米は品質が悪いとどうしようもありませんので業務店さんなどに納品するお米は数カ所の良質米産地品種を決めてブレンドすることにより年間を通じて品質や食味の差が大きくならないように味を調えています。
ま、本当はお店からお米の産地品種を指定していただく方がこちらとしては楽でいいのですけどね。
その場合でもその産地でその年一番品質や食味の良い地域を選んで仕入れはしますがそれでも品質や食味が悪いときはどうしようもありません。
でも、その産地品種を指定されたのはそのお店の方なのでこちらとしては言い訳が立ちます。
だから美味しいお米をお願いが難しい
産地品種を指定していただく方が米屋としては楽なのですが、あいにく私の店で取引させていただいている業務店さんは「美味しいお米を頼みます」という指定のお店ばかりなのです。
はっきり言ってめちゃくちゃ大変なんですよ。
ご家庭用であればそのご家族の方のお米の好みの幅が人数的にも少ないのでお米も選びやすくなります。
しかし、業務店さんはいろいろな方がお米を召し上がります。
当然好みは多数になり、どのあたりの食味食感匂いなどを軸に考えてお米を提供するのか、またそのお店の方針や好みなど様々なことを相談しながらそのお店の美味しいお米を作らなければなりません。
ですから、各お店ごとにお米の中味も変わります。もちろん価格もです。
だから美味しいお米をお願いと言われると大変なんです。
でも、そうして決めたお米だからそのお店にとっても私の店にとってもオンリーワンのお米なんです。
そして、そのお米を召し上がり味が美味しいと気にいっていただけたお客様はそのお店以外のお米を召し上がってもさほど美味しく感じないでしょうね。
すると当然他のお料理にも影響がでます。
美味しい料理をだすお店として認知されること間違いなしです。
だから、飲食店さんは美味しいお米を出さなければいけませんよ。
特に白いご飯で出す場合は、味付けしない分そのお米の差がとてもよくわかるので注意が必要です。
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