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炊飯ジャー
「炊飯ジャーにしばらく保存していると美味しくなくなってきました」
「だいたい、何時間くらいなら保温してても味がかわらないのですか?」
こんな質問をいただきました。
お答えいたします。
朝炊いたご飯であればお昼くらいまで、長くて夕食まで、できるだけその日のうちに召し上がってください。米業界の情報誌では、保温は10時間以内とアドバイスしています。
さて、詳しい説明をする前に、そもそも炊飯ジャーってご存知ですか?
今の炊飯器にはほとんど保温機能がついていますね。
でも、以前は、そうですね・・・私が小さいころだから1960年代頃かな。炊飯器はご飯を炊くだけの機械で、炊き上がった後はおひつや保温ジャーに移し替えていました。
それから、私が小学校の頃1970年代になって炊飯器と保温ジャーが一体化された炊飯ジャーが発売されたと記憶しています。
先ほども書きましたが現在では、ほとんどの炊飯器に保温機能がついていますから、別に炊飯器と炊飯ジャーを違う呼び方にしなくてもいいと思うのですが、いまだに、ジャーという言葉を見聞きします。
象印さんのホームページによると、ジャー(jar)とは、英語では単にガラス製の瓶を意味します。それを転用し、マホービンと同じ構造をもつ広口の保温容器を意味するのが、日本語でのジャーです。
電子レンジもないころでしたので(私の家だけかもしれませんが(笑))、子どもながら温かいごはんがいつでも食べられるのは便利だなと思いました。その一方で長く保温しているとパサついたりごはんが黄色くなったり、少し臭いもしてまずくなると言うのを覚えています。
当時から比べれば今の炊飯ジャーは、格段に機能もよくなっているので、ごはんの劣化も長い時間あまり変わらないようになっているようです。
とはいえ、いくら技術が発達して機能が優れたとしても基本は冒頭の答えのように、やはり早めに召し上がっていただくのが一番です。
炊飯器のメーカーなどは、美味しく食べられる保温時間が12時間以上や炊飯器によっては40時間というのもあり機種によって美味しく食べられると説明されている保温時間が違いますがほとんどの炊飯器で12時間以上は美味しいとされています。
ただ、細かいことを言えばごはんは炊き上がった時点から劣化しはじめます。それに、長時間保温していても、その間ふたの開け閉めがあれば空気中の雑菌やカビなどが入ってきて繁殖を始めるので衛生上もよくありません。
また、保温ジャーで保存しているとごはんが黄ばんでくることがありますがこれは、アミノ・カルボニル反応という化学反応によるものです。ごはんに含まれている糖とアミノ酸が反応してメラノイジンという物質ができるためです。また、嫌なにおいもするよういなります。この反応自体は細菌による変化ではありませんが、お米には、もともちバチラス・セレウス菌という耐熱性のある細菌がついています。これは、100℃で加熱しても死にません。
玄米には、この菌をはじめ多くの微生物がついていますが精米するとほとんど除去されます。ですがどうしても完全に除去することができず少しでもついていると、長期間保温していることで菌が繁殖することになります。
命に危険があるようなことはないようですが、下痢などおこすことがあるようですのでやはり長期間保温するのはよくないとされています。
それじゃ、どうしたらいいの
できれば、炊き上がりを召し上がっていただくのがベストです。
しかし、家族の中で、どうしても食べる時間が違うことがあります。その日のうちに召し上がるのであれば炊飯ジャーで保温していてもいいですが、翌日以降に召し上がるのであれば、冷凍にしておくのが一番いいですね。
もしくは、おひつがあるのであれば、おひつに入れ替えて食べる前にレンジでチンしてください。この際ごはんに少し霧吹きなどで水をかけてあげると炊きたてとは言わないまでも、意外に美味しいごはんになります。
あ、それと冷凍ごはんにするときは温かいうちにラップで包んで冷凍してください。
ごはんが冷えてから冷凍すると、すでにごはんのデンプンが硬くなってしまっているので電子レンジでチンしても美味しくありませんのでご注意を。
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