お米の雑学 米の産地

農業革命があなたの食卓を変えるAI・ドローン・IoTが作るうまい米

投稿日:2018年11月13日 更新日:

AIでつくられたお米

先日、NHKのクローズアップ現代という番組を見たお客様から
「あんたの店のお米は、AIで作ったやつか?」
標準語に訳すと「あなたの店のお米はAIでつくったお米ですか?」です。(笑)

 

「多分違うと思います」
「仕入れ先もそんなこと言うてへんし、僕もAIで作った米持ってきて言うてへんし、」

 

玄米の30kg入り紙の米袋には、生産者の名前や団体名が記載されていますが
AIで作られた米かどうかはわかりません。

 

今のところですが、今後はわかりませんよ。
「AI栽培のお米」や「無人農業ロボットのお米」なんて
表示が米袋に記載される日もくるかな。

 

今回その番組で放送されたというのが
【AIがうまい米を作った!~‟農業革命“最前線~】という題名でした。

 

ちなみに、番組欄にお米の題名がついたTV番組は
できるだけチチェックするようにしている私も
このテレビ放送を録画していましたので後日視聴しました。

 

内容としては、
2018年、米作りに“革命”を起こすプロジェクトが
新潟県で始動したということ。

田植えから稲刈りまで、1年を通じ収集したビックデータをAIに解析させ、
最上級のブランド米(テレビでは「新之助」という品種でした)
を作る挑戦に密着して季節ごとに変化する状況を伝えていました。

 

そして、このテレビを見ていたお客様が、私に冒頭の質問をしたわけです。

 

※AIとはartificial intelligenceの略語で人工知能
※IoTとはInternet of Thingsモノのインターネット 物がインターネットのようにつながる

 

 

勘に頼った米作りからAIに

米屋という職業をしていると少なからず
農家の方々とお話しする機会があります。

 

みなさん美味しいお米を作るために
それぞれにいろいろな工夫や勉強をされています。
そうした積み重ねが長年の勘となり
天候不順などを乗り越えてきました。

 

テレビのインタビューに答える
ベテランの農家Aさんも
こんなことを言っていました。

 

米作りには
「みんなクセがあるので、そこは長年の経験と
勘と言ったら恥ずかしいんですけども
体に染み込んでいるものがあります」

 

長年の経験がないとうまい米は
作れないということです。
今まではね。

 

そこで、ベテラン農家の経験に頼らずうまい米を作る
プロジェクトに導入したのが最新鋭の田植え機でした。

 

前輪に土壌の成分を測る特殊なセンサーが取り付けられています。
集めたデータを分析し田んぼの養分を2メートルおきに色分けします。
養分の高いほうから赤色、黄色、緑といろで分けられます。

 

その結果をもとに自動で肥料の量を調整、
田んぼの養分を均一にすることで
苗の成長が一定になるのです。

 

このプロジェクトに参加した
42歳の農家のB氏がこの田植え機を

 

「すごいよ」「状態をちょっとチェックするぐらい」
「誰でも乗れて良いと思います」
と絶賛していました。

 

7月中旬、今年は全国的に猛暑となりましたね。
新潟県も例外ではありません、38℃の猛暑となり

 

稲に養分が行き届かず
高温障害が起きる恐れがありました。

 

近年この高温障害は全国的に
品質低下の原因として問題になっています。
米が白くなり味が著しく落ちてしまう現象です。

 

それを避けるには
肥料を追加する追肥が必要です。

 

ここでも本来なら稲を見て生育ムラを見る
熟練のワザが求められてきました。

 

ここで米作り名人のAさん
「肥料がないところは色も薄いし、
肥料があるところは色が濃いように、
目で見て生育がわかります。
そこを見ながら肥料をまいていきます」

 

テレビ局の人が
「色ムラがあるように見えないんですけれど、
わかるんですか」と質問すると

 

「まぁ、いいこと言ってくらますね」
「そこが40年の経験ということで」
と答えていました。

 

経験を積んだ人でないとわからない色合いなんですね。

 

しかし、ここで
追肥のためにプロジェクトで導入したのが
AIと連動したドローンです。
そう、あの空を飛ぶやつですよ。

 

まずは、上空からドローンで稲を隅々まで撮影し
画像をAIに送ります。

 

AIには過去2年に渡って
全国の田んぼで撮影された稲の画像、

 

そしてその稲の茎の本数や葉緑素の量など
生育のバロメーターになる情報が記録されています。

 

そこから独自のアルゴリズム(計算方法)によって
稲の生育状況を赤から緑まで7段階に分類します。

 

赤に近いほど生育が遅れていることを示しています。

 

そして、この結果を肥料をまくドローンに組み込みます。

 

すると自動的に肥料を播き始めます。
ただ飛んでいるように見えましたが
稲の生育の悪い赤い部分では
減速して多くの肥料を播いていました。

 

「人間って感情があって肥料を
こうまこうかなと思っていても、
田んぼに入ったら変えちゃったりとか、
そういうのは機械にはないと思うので」
とはBさんの言葉です。

 

さぁ、そしていよいよ収穫です。

プロジェクトでは、これまで刈り取るまで
わからなかったデータを事前にとらえ
収穫することにしました。

 

味の決め手のひとつタンパク質の割合です。
一般的にタンパク質が5~9%のお米が
味が良いとされています。

 

これだけで食味が決まるわけでは
ありませんが必要な要素ではあります。

 

これを調べるのに何を使ったと思います。
なんと・・・・

 

利用したのは人工衛星です。

 

赤外線カメラを使って田んぼを撮影。
過去の膨大なデータをもとに
この衛星画像を解析し
タンパク質の含有率を
色で表示するようにしました。

 

それを見ると、9月下旬の田んぼは
全体的に赤っぽく(高い 赤、黄、緑 低い)
タンパク質が多くなっていました。

 

この段階で刈り取ると粘りのない米になるため
タンパク質低下を待つことに。

 

この9日後に収穫することになりました。

 

以前お話した農家の方に曰く
収穫適期はほんと難しく
早く刈りすぎても
刈り遅れすぎても
お米の品質や食味に影響します。

 

それこそ、長年の経験上の
色合いや勘で収穫期を決めていました。
ま、今もそうですが。

 

今後、このようなAIの技術で
するようになるのでしょうか。

 

今年は天候不順で周囲の農家から
品質を維持するのが難しいという声があがっていました。

 

はたして、B氏のお米の出来はどうだったのか?

 

3週間後結果が報告されました。
新之助(米の品種名です)、タンパク質含有率は6.3%
新潟県の最上級ブレンド米の基準をクリア
見事1等米に合格していました。

 

AIが作り出したうまい米、
すでに全国に出荷されているそうですよ。
たぶん、この部分を聞いていたんでしょうね、
あのお客様は。

 

 

でも本当のところ食味はどうなのか
AIで作ったお米の試食を
NHKのアナウンサーがしました。

 

「つやつやして、ほんといい香りです。一口いただきます。」
「美味しいとしか言いようがない」
ま、ありがちなコメントですが
ごはんが映った画面では
見た目は美味しそうにはみえました。

 

29年産の魚沼産コシヒカリが特Aから転落するなど
近年天候不順で米の品質確保が難しくなっています。
AIなどの技術で品質確保ができるのではないかと
注目されています。

 

新潟のプロジェクトでは、
来年以降ドローンの画像解析で
稲の病害の早期で発見したり
除草が必要な場所をAIに判断させて
ピンポイントで除草剤を播く取り組みにも
乗り出す予定でさらなる品質向上を目指しています。

 

専門家はAIなどの技術革新によって
米作りが大転換を迎えていると指摘しています。

 

「例えば、お米だと機械が遅れていたり
もしくは生産性が低い、いわば競争力のない
産業だと言われてきたんですね。

 

それが今IoTやAIやロボットなど
ハイテクの技術が農業にどっと入ってくることによって
農業自体がまさに競争力のある
新しい産業に生まれ変わろうとしているんですね。

 

農業において新たな革命
『農業革命が起きている』
まさに今がタイミングだと思います。」

 

なぜ、『農業革命』が可能になってきているのでしょうか?

15年、20年前でもハイテク技術を使って農業を
効率化しようという動きはあったのですが
専用に業務用の非常に高価なパソコンが必要でした。

 

そのころからく比べると、現在は機器の値段も下がったし
通信のコストも大きく下がった

 

先人の優れた技をAIやビッグデータが読み解いて
「見える化」して伝えることで、
農業の経験が浅い方でもベテランに近い
ノウハウを獲得して、いい農作物をつくることができるようになった。

 

これまで以上においしい農産物が食卓に並ぶようになるということです。

 

 

 

こんな夢の技術まで開発が進んでいます。

ドラマ化され話題を呼んでいる小説「下町ロケット」
その最新作で主人公が開発に挑むのが無人農業ロボットです。

 

下町ロケットで登場する人物でモデルとなった
北海道大学の大学院教授の方も出演していました。

 

開発しているのは
無人で動くロボットトラクター通称「ロボトラ」です。

 

人が乗らずにワンタッチで倉庫を出て、
いくつもの曲がり角がある300メートル先の
農場まで勝手にいきました。

 

到着すると自ら作業機を下ろし耕し始めます。

 

ロボトラは天井に付けられた丸いアンテナで
人工衛星から届く電波を受信、
自らの位置を判断し自動で動いているのです。

 

センサーが人や障害物を感知すると自動で停止します。
実際人が横切ると止まっていましたよ。

 

さらに複数のロボトラが同時に作業することができます。
これがまたぶつからないんですよ。

 

なぜこんな無人農業ロボットを開発しているかというと
日本の農業就業者にあります。

 

今や、65歳以上の高齢者が全体の6割を占めています。
実際私がお会いする人は
もっと年上の方が多いように感じます。

 

さらに、今後農家の数は減り続け17年後には
今の半分近くにまで落ち込むと推定されているそうです。

 

ですから、ロボットを入れることによって
人手不足を解消したいと考えられています。

 

すでに、ロボトラは商品化に向けた動きが始まっています。
年内の商品化を目指し開発は最終段階に入っていました。

 

ただ、日本の田んぼは狭いかったり
いびつな形が多いのでなかなか難しいようですね。

 

課題としては、まだまだ機器やシステムが高い
ということです。

そりゃそうでしょうね。
今、人が乗って使っている農業機器でも
私が聞いて、びっくりするような値段ですから。

 

それで作ったお米は
いったいいくらくらいの価格になるのでしょうか。

 

それに、米だけを考えるのなら
国内での消費量が年々減っているので
どうなっていくのでしょうか。

 

でも、
これから10年15年 日本の農業はすごく面白い
と専門家の方はおっしゃってましたけどでね。

 

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