買った米がまずい!
あなたは、そんな経験はありませんか?
せっかく買ったお米がまずいとほんとうにがっかりですよね。
そのお米の産地や品種は二度と買うまいと考えます。
でもちょっと待ってください。
その年のそのお店のお米が、たまたままずかっただけかもしれませんよ。
お米を販売している私としてはそんなに単純にその産地品種はやめる!
というわけにはいかないんですよね。
目次
まずいお米って?
そもそも、まずいお米ってどんなお米なんでしょうか?
一口にまずいといってもいろんなケースがあります。
一番比べやすいのが産地や品種だと思いますがそれだけで決まるものなんでしょうか?
たしかに産地や品種によって食味は変わってきます。
産地でいうと、お米を作る場所によって気候が違うので同じ品種でも産地によって食味や品質が違ってきます。
品種は、それこそ美味しいお米の新品種が毎年開発されています。
産地では、より美味しいお米を作ろうと日々研究しているところも少なくありません。
そんなこともあり常にどこかの産地から新品種が生まれています。
そして、今までその産地で作られていた品種の中でも、概ね美味しいという良い評価を受けているお米が多いです。
でもちょっと考えてください。
美味しいまずいは人によって違いますよね。
あなたにとっての美味しいがすべての人の美味しいにはなりませんよね。
そう、やはり食べ物は好みによって変わってくるのです。
ですから、「まずいお米」というの本当は「ない」とも言えます。
実際、私の店でも好みによって感じ方が違うのだと実感したことがありました。
というのは、あるお客様が「このお米とても美味しかったわ、ありがとう」とおっしゃってくださいました。
でも、同じお米を購入いただいた別のお客様が「この前のお米いつもより、まずかったわ」とおっしゃったのです。
ね、どう思います。
両方のお客様とも昔から私の店で購入していただいています。
「まずい」と言われた私としては、申し訳ございませんでした。という気持ちです。
どのようにまずかったのか、例えば硬かった、味が淡白だった等々お聞きして次回改善するようのしなければと大いに反省しました。
それとは別に、「美味しかった」とおっしゃってくださったお客様に対しても申し訳ない気持ちがありました。
そのお客様は社交辞令で美味しいと言ったのではなく本当に美味しいと感じたのでそうおっしゃってくださったのです。
でも申し訳ない気持ちになったというのは、やはり他のお客様から聞いた「まずい」という言葉です。
この気持ちを言語化して説明するのが難しいんですが「まずい」ではなく「私の口には合わなかった」ならそこまでは思わなかったかもしれませんね。
でも他の方がまずいと言っているものを販売してしまった。という思いと「美味しい」とおっしゃってくださったお客様までもが否定されているような感じになったからです。
もちろん「まずい」とおっしゃったお客様も悪気があっておっしゃったのではありません。
また美味しいとおっしゃったお客様の存在を知っていてわざとおっしゃったのでもありません。
それどころか、美味しいと感じた時はちゃんと美味しいとおっしゃってくださるお客様なんです。
感じたことを率直に伝えていただけるので、私としては、ありがたいお客様なのです。
ただ、ちょっとした言い方の違いを気にする私が神経質すぎるのでしょうね。(笑)
でもよく考えたら、私も他の食べ物のときは「これ、まずいわ」と言うことがありますからね。
これからは、「口に合わない」という表現にしょうと思います。
産地品種だけでは食味は決まらない
先ほども述べたように産地品種だけでは必ず美味しいとは限りません。
やはり、その年の天候もありますし、同じ地域でも生産者によっても違います。
ですから、食べたら美味しくなかったのでもう二度とその産地品種は食べないはやめてほしいですね。
できれば、昨年その産地品種を購入したお店で例えば昨年食べた〇〇産の●〇ひかりあまり美味しくなかったけど今年も同じ感じかと質問し同じようならやめておく。
今年は昨年以上に良いですよと聞けばもう一度試してみるというのもいかがでしょうか。
もし購入されたのがスーパーなどで聞く人がいなければ、近くのお米屋さんで同じ質問してみるのも良いでしょうね。
産地品種は同じでもスーパーなどのお米とは違う品質のお米を仕入れているお米屋さんが多いのでもともとの食味も違いますが昨年との差ならわかります。
だいたいある程度の産地品種のお米の出来不出来の情報も入ってくるのでわかりやすく説明してくださると思いますよ。
少なくとも私の店ではそうしています。
産地品種で食味の差は多少なりとも確かにありますが、収穫後のお米の保管状態によっても品質の劣化に影響を与えます。
当然食味にも影響してきます。
もちろんそれは産地だけに及ばず問屋、小売、物流時、お客様の保存状態によっても食味に影響がでます。
そして、炊飯方法などによっても食味に影響がでます。
もっと細かく言えば、洗米時の水の品質、炊飯時の水の品質によっても食味がかわります。
炊飯器の性能によっても変わります。
精神的なことでいうと誰と召し上がるかによっても食味は違いますよ。
ま、これはご飯だけではないでしょうけどね。
ですから、「まずい」と思ったらそのへんも少し考えられると良いですね。
しかし、いつもと変わらない感じで炊いたご飯が美味しくないと思ったら、購入されたお店でそのことを伝えて改善してもらいましょう。
お店も、お客様の感想や意見を聞きながら品種を変えたりその他にも出来る限り原因を追究して改善しますので遠慮なくおっしゃった方がいいですよ。
同じ召し上がったいただくのなら、美味しく召し上がっていただきたいと思うのが米屋の仕事のひとつですからね。