新米の収穫も後半になってきました。
かなりの新米が収穫されてきています。
とここで、今年の新米についてその都度このブログで報告していますが
ちょっと品質の悪い新米が多いですね。
ほとんどは、高温による影響で品質が落ちているお米が多いです。
それに加えて、台風の影響で廃棄になるお米もでているようです。
稲刈りがすんでいたお米が水に浸かったケースもあり
どの産地がどれほどの被害なのか、はっきりわからないところです。
通常だとこれからの時期はお米の産地にいる親戚や知人からお米が送られてくるご家庭も多いですね。
それに、あと1ケ月もすればお歳暮などでお米を贈り物にされる方も多いかと思います。
しかし、今年はちょっと注意が必要です。
そのへんのことをご説明しましょう。
目次
2019年版!産地からお米を送ってきた!
お米はもらって嬉しいものです。
なにかのアンケートでも、もらって嬉しいものの中には大抵お米の名前があるくらいです。
ただ、その送られてきたお米によっては、言い方は悪いですが有難迷惑なこともあります。
これには、いろいろなケースがありますが代表的なものをいくつかご案内します。
1.せっかく新米の季節なのに昨年のお米が送ってきた!
2.送ってきたお米の中に石など異物が多く入っている!
3.送ってきたお米に虫がたくさん混じっている!
4.玄米で送ってきたので精米が面倒だ!
5.送ってきたお米をコイン精米機で精米したら粉々になった!
6送ってきたお米がとにかくまずい!
7.送ってきたお米が臭い!
8.送ってきたお米の色が変だ!
他にもありますが、だいたいこういったことがよくあります。
私の店でも今までこのような質問と改善方法を聞くことがありました。
それでは、上記にあげた代表的なケースを簡単に解説いたします。
1.せっかく新米の季節なのに昨年のお米が送ってきた!
そうなんですよね。これは意外によくあるパターンです。
送ってきてくれる産地で新米が収穫される季節になってくると
それまで召し上がっていた昨年のお米が余る量がわかりますよね。
どう考えても自分のところだけで食べると年内いっぱいは新米を食べられない
それほど古いお米が残ることもあるかもしれません。
しかし、新米が収穫されるとやっぱり新米を食べたいですよね。
そして、新米を食べるとそれまで食べていた古米は食べたくなくなります。
ま、当然ですよね。できれば美味しいほうがいいですから。
あと少しだけなら我慢できますが、多く残っているとちょっとつらいです。
だから、いずれは新米も送るのだから今は古米を減らすのを手伝ってもらおうと考える方。
古米は自分のところでどうにか消費して、やっぱり送るお米は新米にしようと考える方。
産地におられる親戚や知人の方々の考え方なのでどうしようもありません。
もちろんここで述べているのは無料で送ってもらっているケースなので
それがどちらになっても文句は言い難いですね。
関係性にもよりますが。
まあでも考えようによっては、いつもそこから送ってもらっているなら
新米をまだ食べる前なので、いつものお米といっしょですから
この時期ならまださほど違和感なく食べられるでしょう。
2.送ってきたお米の中に石など異物が多く入っている!
これも産地から送ってきたお米に多いですね。
というのも無償で知り合いに送ってきているので
手間がかかる選別はしていないことがほとんどです。
土の上で作られしかも自動車道路や生活道路などと隣接していることも多い
田んぼで作られているお米ですから石などは当然で金属やガラス、プラスチックなどの異物も混じっていることもあります。
特に風雨などによって稲が倒れた田んぼは稲を起こしながら刈るので異物混入の確率が大幅に増えます。
私の店ではお米のほとんどを玄米で仕入れています。
最近では、玄米の異物などを除去している産地が増えています。
しかし、そういう設備のない地域の玄米には多くの石など異物が混入しているものもあります。
もちろん私の店をはじめ米を販売している多くのお店では
そういう玄米も異物を除去して精米し、精米してからも除去して商品として販売します。
ただ、産地から直接知り合いに送る玄米などはそこまですることがない場合が多いようです。
少なくとも私の店で問い合わせや送ってきた玄米の精米を依頼されたケースはそうです。
ですから、基本的にはお米を洗米するときに注意してみるようにすれば目立つものは除去できます。
3.送ってきたお米に虫がたくさん混じっている!
最近では残暑も厳しく、今年などは10月に入っても暑いと感じる日もありました。
となると、お米の虫がわきやすくなります。
お米の虫はどこにでもいます。
それに、お米になる前の稲のときにお米の虫がついていることもありますから
新米と言えども虫がわくことも多々あります。
もっとも新米でも早い時期の物の方が虫のわく確率が高いです。
ただ、玄米を精米するときに虫もいっしょに除去できるので
虫が多くわいているようであればとにかくコイン精米機などで精米しましょう。
そして、精米したお米が多くある場合は小分けにして
密閉した容器で冷蔵庫で保管すれば品質も落ちにくく虫もわきにくくなります。
4.玄米で送ってきたので精米が面倒だ!
確かにたくさん送ってきたときは持ち運びが大変です。
10kgくらいなら女性でも大丈夫ですが、30kgの米袋などだと男性でも大変かもしれませんね。
それを、精米機のあるところまで車やバイク、時には自転車で持っていかなければいけません。
1回で精米したり数回に分けて精米に行かなければなりません。
ま、でもこれは無償で送っていただいているので仕方がないですね。
もし面倒であれば、精米したものを送ってもらうことが可能ならそうしてもらう方がいいでしょう。
とくに冬場などは虫もわきにくく、品質も落ちにくいので多めに精米を送ってもらっても
夏場よりは美味しくいただけます。
精米を送ってもらうことが無理なら、冬場なら約2ケ月分、夏場なら約1ケ月分の食べる量ごとに精米しにいってください。
1ケ月分ごとに精米でも年間12回なので、それくらいは仕方ないですね。
ちなみに、精米して上記の期間内に消費すると、後半は多少食味が落ちるかもしれませんが
極端に味が落ちることがない期間だとされています。
それ以降になると食味が落ちるのが早くなります。
5.送ってきたお米をコイン精米機で精米したら粉々になった!
送ってきたお米をコイン精米機で精米したら米粒が粉々になってしまったということはよく聞きます。
特に新米に変わったときや、品質が悪いお米の時に米が砕けることが多いです。
少しソフトに精米することで多少は改善されますが
もともとひび割れしている玄米などはどんなにソフトに精米しても砕けます。
なかには、文字通り粉になって、ぬかと一緒に落ちるものもあります。
粉々になるとなにがいけないのかというと、食感です。
多少の割れや砕けなら軟らかいご飯が好きな方にはいいかも知れませんが
極端にそういう米粒が多いときはご飯がだんごみたいになったりべちゃべちゃになったりします。
コイン精米機から出てきた米粒を見て砕けているのが多いと感じたらすぐに少しソフトにしましょう。
出てきている米粒を見ながら調整した方がうまく精米できますよ。
途中で調整ができないコイン精米機の場合は、はじめてのお米は少しソフトめで精米して
次回調整して精米するといいでしょう。
6送ってきたお米がとにかくまずい!
送ってきたお米がとにかくまずいということを聞くときがあります。
これは、なかなか難しいですね。
焼めしやリゾット、カレーや牛丼とご飯に味をつけることで消費するという方法があります。
でも毎日味付きのご飯ばかりも嫌だと思う方もいらっしゃいますよね。
それに、送ってきたお米の量にもよります。
あまりにも多いときついですね。
まずいというのも個人差があるので一概にいえませんが
あえてもったいないですが美味しいお米と混ぜて食べるということもひとつです。
あと、ぱさついてまずいのであればもち米を少し混ぜるともちっとして甘みもでます。
7.送ってきたお米が臭い!
これもけっこうあります。
原因としてもいろんなケースがあります。
ま、多いのが古米の臭いです。
それに、保管中に何かの臭いを米が吸ってしまったケースもあります。
我慢して食べるというのも一つですが残量が多いとつらいですね。
味付け御飯だと多少は臭いは気にならないでしょう。
白ご飯で召し上がるには、美味しいお米とまぜるのもひとつですね。
半分混ぜれば臭いも半分ましになります。
あとは、備長炭を入れて炊飯するとけっこうましになります。
平成5年に大凶作による外米の緊急輸入があったのですが
古い外米もあり臭いが気になるという方も多かったのですが
備長炭で我慢できるまで改善されたという声もありました。
ただ、かび臭いものはあまり召し上がるのはおすすめしません。
食べるものなので捨てることには抵抗があるでしょうが
あまりにもかび臭い場合は、人体に影響がないともいえませんので
廃棄することも仕方ないですね。
8.送ってきたお米の色が変だ!
単に古米になった黄ばみなら問題はないでしょう。
ただ、食べて変な味がする場合はやめた方がいいですね。
赤色や緑色など変わった色がついている場合も菌やカビの可能性が多いので
召し上がることはやめた方がいいでしょう。
大抵の場合保存状態が悪いと変色の原因になることが多いですね。
あと米袋、産地から送られる場合は紙の米袋が多いと思います。
保管中や輸送中に濡れた米袋から米粒がかびていくことがありますから
米袋の中の上の方が大丈夫でも真ん中や下などがかびていることもあります。
送られてきたお米の保管場所も注意が必要です。
2019年版!お歳暮などお米を贈り物にしたい!
さて、贈り物としてもらって嬉しいお米ですが、今年は注意が必要です。
というと、えっお米って贈ったらまずいのかなと思われるかもしれませんね。
そうではないのです。
今年の場合は、贈るお米の品質を吟味してから選ばれることをおすすめします。
というのもこのブログでも再三お伝えしていますが
2019年産米は品質の悪い産地が多いのです。
収穫量自体は全国平均では平年並みにはなっていますが
それは収穫されたというだけで、品質は別問題です。
収穫されたお米は農産物検査を受けて品質の評価をします。
農家によっては検査を受けない方もいます。
これは、未検査米ということで流通します。
通常検査を受けたお米は
一番評価の高い1等米から2等米、3等米、規格外と評価が低くなります。
ただ、等級が2等米でも食味がとても美味しいお米もあります。
検査はどちらかというと外観的なものを見ることが多いのです。
でも、先ほど書いたように等級が悪くても美味しいお米もありますが
全体的にみるとやはり等級が落ちるということは食味も落ちる可能性は高いです。
品質が悪いということは、それだけその産地の天候などが不順だった証拠なので
食味に影響がないことは考えにくいです。
美味しいといっても、ほんとうならもっと美味しいお米になっていたということです。
贈答米としてよく使用されている新潟コシヒカリや魚沼コシヒカリの品質が著しく悪い
贈答米だとやはり魚沼産コシヒカリや新潟県産コシヒカリが使用される頻度が多いですね。
特に魚沼産コシヒカリは、一般的に美味しいお米と皆さんに認知されています。
同じ贈るなら誰もが知っているブランド米の方がわかりやすいですからね。
でも今年の魚沼産は品質の悪いお米が多いです。
現在卸売会社から提示されている玄米のメニューをみてみると
魚沼産コシヒカリは1等米がありません。あったとしてもごくわずかです。
もちろんすべてがそうではありませんが、魚沼産や新潟県としてはありえないくらい等級が悪いのです。
新潟県だけではありません。他県も今年は等級が悪い産地が多いです。
で、これは農産物なので品質が悪い年もあることは仕方のないことですが
例えばいつも魚沼産コシヒカリをお歳暮などで贈答米としているのなら
今年は贈る前に、魚沼産コシヒカリの品質はどうですかと販売店に尋ねる方がいいですね。
もしくは、魚沼産にこだわらず美味しいお米で良いのなら
贈るとしたら今年はどのお米がいいですか?
と質問されて相談して贈るお米を決められることをおすすめします。
もっともいつも魚沼産コシヒカリを贈ると決めているというなら
販売店に魚沼産でも品質の良い地域のお米を贈ってくださいねと念押しした方が安心です。
まぁ、毎年同じお店から贈られているのなら、あなたのことをよくご存知なので
あなたに恥をかかすようなお米を贈ることはないと思います。
それに良いお米を贈るということは
自分の店の宣伝になりますからね。
ただ、今年は贈るお米の品質がどうか、一言付け加えた方がいいかもしれませんよ。
ご意見ご質問がございましたら下記LINE公式アカウントにご登録いただいてメッセージをいただくかお電話にてお問合せくださいね。