お米の品種って数多くあります。
近年では新しい品種が全国で次々と開発されています。
一方では、昔からの品種で根強い人気のある品種もあります。
ここで紹介する「日本晴」(にっぽんばれ)もその一つです。
目次
日本晴って?
天気じゃないですよ。(笑)
米屋ならだれでも知っている昔からのお米の品種です。
先日「おすしをつくるので、いいのないかしら?」
とご近所の主婦のお客様がご来店いただきました。
5合(750g)分のおすしを作るということでした。
新米の時期ではないのでいつものお米でも少し水加減を控えて炊けば十分美味しいすし飯になることをお伝えしましたが、せっかく来たので買っていくとのことでした。
ありがとうございます。
手巻きずしをつくるとのこと。
ちょうど精米した滋賀県産の日本晴があったのでご購入していただきました。
そう、この日本晴というお米はおすしにも合うんです。
特に関西、京都のおすし屋さんはこの滋賀県産の日本晴を使用しているお店が多いですね。
日本晴の特徴
最近開発されているお米はどちらかというと粘りがあるお米が多いようですが、この日本晴は昔ながらの懐かしい食感、適度に硬くよく噛むほどにふわっとした甘みが感じられるお米です。ま、基本あっさりしています。
粘りがあったり、軟らかいお米がお好みの場合はお口に合わないかもしれませんね。
日本晴は昭和38年に愛知県で育成されたお米です。
コシヒカリが昭和31年なのでそれよりは新しいほうです。新しいって平成も終わりだというのにちょっとおかしい表現になりました。(笑)
母(めしべ)がヤマビコという品種で、父(おしべ)が幸風(さちかぜ)という品種です。
コシヒカリとは全然違う食感ですが、先祖的にはコシヒカリの母(めしべ)農林22号という品種が
ヤマビコの父(おしべ)であったり、幸風の父の母であったりします。
少しわかりにくいですか?
ま、品種来歴に少しは関係があるってことです。(笑)
名前の由来は、熟色が極めて鮮麗である特性と、世代促進による育成種第一号であることを記念して命名。当時は早生は晴、中生は風の共通名の考え方があったようです。日本晴は早植栽培・早生だから晴がついているんですね。
粒の大きさはコシヒカリと同じくらいの中粒です。
日本晴は正式には「にっぽんばれ」と言うようですが、私はつい「にほんばれ」と言ってしまいます。
けっこう他のお米屋さんも「にほんばれ」と呼んでいるように思います。
昭和51年には品種別の作付けで1位でしたがその後良食味のコシヒカリの人気がでてくると徐々に減ってきました。今では30位にも入っていません。
現在も年々減ってはいるものの根強い人気があり平成25年時点では関東から九州まで16府県で作られています。
私の店が京都であることもあり隣の滋賀県の日本晴は毎年仕入れています。
ちなみにずっと以前になりますが滋賀県の日本晴がお米の食味ランキングの基準米でした。
米食味ランキングは一般社団法人日本穀物検定協会というところが毎年全国のお米のランキングを発表しています。
基準米とは食味試験において美味しいかそうでないかをランク分けする際に基準となるお米です。
基準米である限り、最高位である特Aや良好であるAランクになることはできないということで
現在は複数産地のコシヒカリのブレンドが基準米です。産地は公表されません。
現在の日本晴
名前の由来にもあるようにきれいな色の米粒でしたが、最近は天候不順や高温による障害などで米粒の品質にムラの多い年が増えています。
私の店ではいつも一番品質が良いとされる1等米を仕入れているのですがそれでもムラがあります。
ムラというのは、良いときはばりばりの1等米ですが、そうでないときはこれ本当に1等米で検査通ったのと首をかしげるときもあります。それほど差があるときがあります。
この日本晴というお米は業務店さんから品種指定されることもありますから品質にムラがあるのは問題です。
私の店でもなるべくその年の品質の良い地域から仕入れてはいますがそれでもムラがあります。
1等米を納品しているのに品質が悪いといわれるとどうしようもありませんからね。
もちろんこれは、日本晴に限ったことではなく最近は全国のいろいろな品種が天候不順で品質に問題がでる年が増えているように感じます。
でも、天候はどうしようもありませんから、生産者の方にはその中でベストをつくしてもらうしかありません。
最近の新しいお米やコシヒカリはちょっと飽きてきた、好みの食感ではないと感じられているなら是非一度この日本晴を召し上がってください。
中高年の方なら懐かしいお米を思い出しますし、若い方ならこんなお米もあるんだなと感じていただけるはずです。
日本晴を一度召し上がりたいとお考えなら下記LINE@にご登録いただき日本晴希望とメッセージをいただけばいつでもご用意いたしますよ。
ご意見ご質問がございましたらLINE公式アカウントにご登録いただいてメッセージをいただくかお電話にてお問合せくださいね。