農家とお米を年間契約する直販・直送っていいのかな?と考えている方いらっしゃいますよね。
産地直送って新鮮で美味しそうです。
それに生産者が誰かもわかりますからね。
でも年間契約となるとどうでしょうか?
目次
農家と直接契約していました。
農家の方と直接契約していたというお客様が年間契約の数量を消費できなくて困っているという相談を受けました。
本当なら食べられる量だったそうですが、家族が減るなどしてその分が余ってしまったとのことでした。
そのやりとりは、今回関西弁バージョン翻訳付きです。
ご年配の女性のお客様がご来店されて
「お米な、農家のひとからじかに買うてたんやけどな」
訳、お米を農家の方から直接購入していたんですけれど。
「家族が減ってあんまり食べんようになったんやわ」
訳、家族が減ってあまり食べないようになったのです。
「ほんだらな、米が余ってしもてどうにもならんのやわ」
訳、そうしたら、米が余ってしまうようになってどうしようもなく困っています。
「ほんでな、こないだから、もうやめにしたんやわ」
訳、それで、先日より、もうやめることにしました。
「そやから、ちょっとだけお米ちょうだい」
訳、ですから、少しだけお米を購入したいのです。
本当にこんな感じのお客様でした。
しかもけっこう早口なんですよね。(苦笑)
とりあえずお試しに2kg買われました。
ありがとございました。(笑)
農家との契約米ってどうなの?
お米の流通が自由化になり消費者が直接農家からお米を購入されることも多くなりました。
特にインターネットの普及しホームページを作り直接販売する農家も増えています。
中には、年間契約で定期的に送ってもらう方もいらっしゃいます。
そう、上記のお客様のように。
ただ、予定通り消費しないと米があまったり、足りなくなったりとうまくいかないこともありますね。
今や米屋で購入のお客様より農家から直接の方が割合が多いです。(涙)
そこで、農家のお米を年間契約するうえでの注意点をお伝えしましょう。
農家と契約するメリットは
農家と契約するメリット
作った人がわかる。
誰が作ったかわかるので安心してご飯を食べられます。
無農薬米や減農薬米などで栽培されたお米が手に入る。
農家さんにもよりますが無農薬で作られていたり減農薬で作られているお米が安定的に入ります。
安定した価格
はじめに、1年間の価格が決められますので不作でもそんなに大きな値上げにはならないことが多いですね。
安定供給してもらえます。
はじめに契約数量を決めておくと1年間そのお米を確保してもらえるので不作などのときでも安心です。
おまけがついていることも
農家の方はお米作りのほかにも農作物を作っている場合が多いのでおまけにつけてくれたり格安で販売してくれたりするケースもあるようですよ。
田植え体験や、稲刈り体験などイベントをされる農家さんもいるようです。
お子さんがいるご家庭や自分でお米作りをしてみたいという人にはいいです。
特殊な品種の場合前もって契約していると必ず手に入る。
最近は新開発されたお米が毎年、多数発売されています。
そういうお米の中には数量限定で手に入り難いお米もあります。
そんなお米でも前もって契約していればかなりの確率で手に入ります。
農家と契約するデメリット
それでは、デメリットはどうでしょうか?
余ってしまったりしてもいらないと言えない、もしくは言いにくい
契約ですから仕方ないとはいえもらいものがあったり外食の機会がふえたり予定外のことでお米が余るってくることはありますよね。
途中でやめられない
契約内容にもよりますが年間で契約すると途中でやめられないこともあります。
また、ちょっとやめるとは言いにくいので契約が切れるまではがまんするなんて方もいるのでは。
まずくても1年間食べなければいけない
米に限らず農産物は天候不順などで品質の確保が以前に比べて難しくなってきています。
出来が悪い年でも契約しているとその品質の悪いお米を1年間食べ続けなければいけないですよね。
配送料がかかるので割高になるかもしれません。
近くの農家から買われている場合は大丈夫でしょうが遠い産地と契約しているとどうしても、配送料がかかります。
同じ産地品種のお米が近くのお米屋さんより農家の方から買う方が安くても配送料を足すと価格が高くなることもあるので前もってお米の価格と配送料金がいくらか調べることをおすすめします。
農家との契約米でこんなことがありました。
私が所属しているお米屋さんのグループでも個人の農家や団体と契約することがあります。
そこで起こったトラブルをちょっとだけご紹介しますね。
ある、産地の農家のグループと契約栽培の約束をしていました。
そのグループのほとんどが村や町の議員さんだったので少し驚きました。
お米作りのことについてグループ同士で懇談会も数度行いこちらから産地にも出向きました。
そこで、コシヒカリなど有名ブランド米だけでなくこちらから指定した品種も含めたお米の契約をしました。
こちらから指定した品種はそこの産地ではまだ作られたことがなく「作るのは良いですが必ず全部買ってくださいね。」と念押しされました。
コシヒカリなどの名が通った品種ならすぐに売れるのですがそうでないものは売るのが難しいので念押しされたのだと思います。
収穫がはじまり第1回目の入荷がありました。
例の、あの品種もありました。
入荷した後、早速試食したところとてもいい食味です。
これは、大成功とグループのみんなが思いました。
しばらくして第2回目の入荷する品種と数量の確認の連絡が各店にありましたのでまた、あの品種を入れるようにお願いしました。
前もって各店舗数量を申し込んでいますので最後の配送までにその数を配分して注文します。
ところがです。
こちらの代表が第2回目の数量を依頼したところ「あの品種は、もうなくなりました。」
って、なんじゃそりゃ。
まだ全体の半分どころか3分の1もとっていないのになくなったってどういうこと。
よくよく話を聞くと他に売りさばいたようでした。
「そんな、あほな」
あの品種にかぎっては必ず全部買ってくださいとまで言っていたのに。
どうやら、私たちが契約した価格より高い価格で売れたようでした。
議員がほとんどのグループなのにモラルのかけらもない人たちだ。
でもね。
こんなことは今までに他の産地でも何回かありました。
決して農家のみなさん全部がこんな人たちではないのですよ。
たぶんこのような人たちの方が圧倒的に少ないと思います。
ま、わからないでもないんですよ。
年に1回しか取れないのですから同じ売れるなら高いほうに売りたい経費は同じですからね。
でも、その1年の1回だけじゃないでしょ。
どんな年だってあるのだから信頼関係って積み重ねじゃないですかほんと、残念なことでした。
米屋のグループの仕入れと個人で買われる契約米とでは少し違うかもしれませんが契約する農家の評判は調べた方がいいかもしれませんね。
結局農家と契約するのは得なのか
いゃー、どうでしょう?
今回は農家と年間契約でお米を買うということで年間契約でなく農家のお米を買うこともできますからね。
年間契約にしろ、そうでないにしろ本当に信頼のおける農家さんでそのお米の味にも満足しているならその農家さんと契約や購入をするのもいいと思いますよ。
得とか損とかは関係ないでしょうね。
その方の価値観ですから。
ただ、米屋としては米は米屋でと言いたいですね。
というのも、産地直送と言いますが私たちが仕入れているお米も産地直送や産地直送みたいなもんですよ。
産地からしか仕入れられないんですから。
いったんJAや卸売り会社の倉庫に入るだけですから。
農家にしても、卸売会社にしても稲刈りしてすぐすべてのお米を売り切ることはできませんから全部売り切るまでは保管場所が必要です。
JAや卸売会社などは保管場所も設備が整ったところなので農家から直よりも鮮度が良い場合も多いですよ。
それに、欲しいときに欲しい量を買うこれも、米屋の方がいいでしょう。
以前消費者との意見交換会で消費者の方の「誰が作ったか、顔の見えるお米がほしい」という意見に、あるお米屋さんが「それでは、ピーターさんや、トムさんっていう人の顔写真入りのお米なら外国産でも買っていただけるんですか?」
その消費者の方も二の句が継げないようでした。
ちょっといじわるな返しでしたが笑っている人もいましたね。
誰が作ったかは、もちろん大切なことですが誰から買ったのかも大切なんじゃないでしょうか。
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