お米のコンテストってけっこういろいろな産地で開催されています。
生産者の方々が自慢のお米を評価してもらいます。
こういうコンテストに出品される生産者はやはり自分が作ったお米に自信がある方ばかりですから、ハイレベルな中から選ばれる優勝者のお米はまさしく絶品です。
今回は、そんなコンテストで2回も日本一になった産地のお米を紹介しましょう。
目次
テレビで放送された土佐天空の郷というお米
「テレビで放送されていた土佐天空の郷っていうお米がこちらで販売されていると聞いたのですが」
というお電話をいただきした。
「はい、ありますよ」
「土佐天空の郷米には2種類あるんです」
「‟にこまる“と‟ヒノヒカリ”という品種です」
「私の店には、どちらもあります」
「特長を簡単に説明すると、にこまるは、粒揃いが良くってふっくらつやつや炊き上がります。粘りがあり、もちもち食感で甘みがあります。」
「ヒノヒカリは、もっちり甘く、しっかりとした食感が特徴です。口当たりはやや固めで、噛むほどに旨みが広がり、冷めても味が落ちないのでお弁当にも最適」
「食感でいうとにこまるは、軟らかめでヒノヒカリはそれよりは少し硬めということです」
「ちなみに、お米のコンテストのひとつで‟お米日本一コンテストinしずおか“という大会があるんですけど、一番美味しいお米の賞を2度とっていますがどちらも“にこまる”のほうでした」
「でも、ヒノヒカリも優秀賞に入賞しているのでどちらも人気があります。あとはご自分の好みでしょう」
このお客様は以前百貨店で、この土佐天空の郷が販売しているときに購入されたそうで美味しかったので近くで販売している店がないかと調べたところ私の店があったということでした。
早速、ご購入いただきました。
土佐天空の郷ヒノヒカリのご注文でした。
配達でお届けです。ありがとうございました。
土佐天空の郷というブランド米
この土佐天空の郷米が作られている高知県本山町というところは町面積の9割が山林という中山間地で耕作条件が大変不便な棚田でのお米作りです。
そんな大変な米作りなのに、お米の価格は低迷し、そのうえ肥料の高騰などにより、水稲での経営が困難な状況となっていました。
当然こうなると、後継者が育たず農家の高齢化が進みます。
このままでは、棚田の耕作放棄地を増加させることとなり、水田と共に築かれてきた農山村の暮らしや環境も崩壊しかねない状況になってしまう。
この地域のみならず、日本全国が抱える問題ですね。
しかし、この状況をなんとかしょうと平成20年2月に、本山町特産品ブランド化推進協議会を設立したそうです。
1年間いろいろな調査をし、試行錯誤しながらブランド戦略を考えました。
そうして、この「土佐天空の郷」をブランド米として平成21年より販売を開始。
その年‟米・食味分析鑑定コンクール”というお米の大会で特別優秀賞を受賞。
そして、冒頭紹介した‟お米日本一コンテストinしずおか”で見事、日本一に輝きました。
なんでも、この当時この大会で西日本で初めて、コシヒカリの品種以外でも初めての受賞だったそうですよ。
出品された中での日本一ですので、この大会では、ということになりますが、お米自慢の農家が我こそはと相当数参加しているのでハイレベルな大会だと言えます。
その後も土佐天空の郷の取り組みとして全国各地のコメの販売店を招いた産地見学ツアーをしました。
私も招待されていたのですが先約があり残念ながら参加できませんでした。(涙)
他にも県内の親子を招いた「田んぼの生き物調査隊」、水田の果たす役割やその大切さなどを伝える勉強会などを開催したり「天空の郷芸術祭」と題し、古代米を使った田んぼアートの製作や収穫祭、棚田の一画を会場にしたコンサートなど、写真のコンクールなんかもやってました。
天空の郷というほどですから良い風景がいっぱいです。
農家と消費者とのふれあいで心に残る棚田「土佐天空の郷」の創造を目指し取り組みを続けていらっしゃいます。
土佐天空の郷米との出会い
私の店では、この土佐天空の郷米がまさに上記の日本一になったタイミングである米の卸売会社から紹介されました。
私にとってそれまでの高知県のお米は普通の産地よりコシヒカリなどの新米が早く取れるだけの季節ものという感じでした。
もちろんそれまでも高知のお米を販売していましたが別にとりわけ美味しいお米の産地とも思っていませんでしたのでこのお米を紹介された時も「ほんまに美味しいの」と
担当者さんに何度も確認したくらいです。
それでもけっこう担当者さんが押してくるので契約することにしました。
あっ、このお米は前もって年間これくらいという数量を契約するんですよ。
ただ、その産地のお米を1度も食べたことがなく価格も高いお米だったので「高知県のこんな高い米美味しいのかな、売れるのかな」と半信半疑で新米が入荷するのを待ちました。
いよいよ11月に新米が入荷しました。
高知県で11月に新米ってと思う方がいらっしゃるかも知れませんね。
品種によっては遅く取れるものがあるんです。
試食マニアの私、にこまる、ヒノヒカリを精米して早速試食です。
「確かに、うま~い」
安堵感です。
高くてまずかったらどうしょうと思ってたのでよかった、これで売れる。
ま、仕入れの数量を年間分計算して予約したので少々高くても美味しいお米が欲しい方にぼちぼち買っていただければいいかなと思っていました。
ところがです……
「土佐天空の郷」人気大爆発!
22産米は日本一になったのもそうですが当時人気のあった番組TBS「はなまるマーケット」や今や毎年新米の時期になると珍しいお米を紹介する日本テレビ「満天☆青空レストラン」など多数の人気テレビ番組で美味しいお米として紹介されたのです。
そのテレビ放映の影響で、爆発的な出荷状況となり産地にも在庫がないという状態に陥りました。
なんでも当時の年間販売量をたしか、2ケ月くらいで完売したと言ってました。
そこまでのことになっているとはまったく私は知りませんでした。(笑)
当時も細々とネット販売もしていました。
年間の契約数量はそんなに多くはありませんでしたがネットでも少しずつお米好きの人に売れればいいかなと販売していました。
ほんと細々となのでというか片手間にやっていたので(苦笑)
毎日売れるわけでもなくたまに、ポッと売れる程度でした。
ま、これならネットのほうでは売り切れることはないかと思っていました。
しかし、私の知らないところで状況は変わっていたんですね。
ネットで土佐天空の郷のお米が毎日売れるようになっている。
あれ、しかも日ごとに販売量が増えている。
この時点でもなぜ、販売量が増えているのかわかりませんでした。
「たまたまかな?SEO対策なんかなんにもしてないもんな」
そのうち「年間分60㎏確保できませんか?」という電話までかかってきました。
そこではじめて卸売会社さんに電話して事の成り行きを聞いた次第です。
心の中で「うーん、でもそれにしては販売数が増えるまで時間差があったな」
ほかの店ではもっと早く売れだしていて中には年間契約分全部売れてしまった店も増えてきているとのことでした。
「あっ、それでわかった」
売り切れの店が増えているのでどうしても欲しい方が一所懸命に販売店を探した結果やっと私の店にたどりついたのだ。
そこまでならないと、でてこないほど私のネット店はネット上で埋もれているということね(涙)
まっ、ともあれ私の店も完売しました。(苦笑)
土佐天空の郷米の課題
新品種や新しく取り入れた栽培方法や取り組みなどにありがちですがはじめは、良いものが作られています。
お客様からも、ほとんどが良い評価です。
しかし、年数がたつと全体的に品質がおちるというかムラがあるようになってきています。
やりはじめの時の気持ちからの変化や生産量の増加、栽培方法の改善そのお米への食べ慣れなど様々な原因が考えられます。
特に最近は、天候不順な年が多くなり全国的にもお米の出来にムラがあります。
この土佐天空の郷のお米もここ数年とくに、2,3年は生産者によって品質のムラが大きくなっています。
土佐天空の郷は厳しい独自の基準に合格したお米以外そのネーミングで売ることも米袋を使うこともできません。
それにも関わらずムラがあるのはいけません。
その事は卸売会社を通じ産地に伝えてもらっています。
その声が届いたかどうかはわかりませんが先日入荷した平成30年産はにこまる、ヒノヒカリとも食味、食感とも合格点です。
しいて言えばちょっと甘みが足りないかな。
まだ、1回目の入荷なので全体はわかりませんが今年は期待できそうです。
土佐天空の郷のお米についてご意見ご質問がございましたら下記LINE公式アカウントにご登録いただいてメッセージをいただくかお電話にてお問合せくださいね。
私が運営している下記ネットショップ「京のすしこめ」でも土佐天空の郷米も販売しています。