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おにぎりに合うお米
「子どもにおにぎりを握ってあげたいのですが、おにぎり用の美味しいお米ってありますか？」
といつも私の店でお米を購入していただいている、まだお若い主婦のお客様からご質問を受けました。
私は、「おにぎりに合うお米もありますが、いつも買っていただいているお米で十分美味しいおにぎりができますよ」とお答えしました。
というのも、このお客様が購入されているお米は、私の店のオリジナルブレンド米で普通のご飯として食べても美味しく仕上げていますので、そのまま、おにぎりにしてもなんら問題なく美味しいおにぎりになるからです。
私は、古いお米や品質が悪いものは別として、現在日本で作られているお米で普通に販売されているものならおにぎりに合わないお米というのはまず無いと考えています。
なぜなら、現在日本で栽培されているお米の品種は特殊な品種でない限り、少なからず適度な粘りがあるからです。
ですから、めったなことでは握ったおにぎりが食べる前にぱらぱらやばらばらになることはありません。
もちろん、コシヒカリなど弾力があり、粘りのある品種は、より食べた時の米粒のほぐれ具合や粒感も良いし、のど越しも良いと思いますが、その他の品種と比べてもびっくりするくらい大きな差ではないのです。
品種は大事だが、品質や炊飯も大事です
それよりも、品種がよくてもそのお米の中にひび割れた米粒や砕けた米粒が多く混じっているお米の方が団子みたいに塊になったりべちゃっとしたりして美味しいおにぎりにならないのです。
あと、炊飯するときにあまり水加減が多いとべちゃっとしたお米になるのでおにぎりにはよくないかもしれません。
ですから、品種は重要ですが必要以上に品種を気にすることはなく、普通に食べてまずくないお米であればおにぎりにしても大丈夫だと考えていただければいいかと思います。
ただ、注意しておきたいのは、おにぎりを握ってからどれくらい後に召し上がるかということです。
それによっては粘りの度合いが違う品種にするほうがより美味しいおにぎりになりますし、中に入れる具もいたみにくいものに変えるなど工夫が必要になります。
それに、季節。温度ですね。
ご飯のデンプンは温度が低くなると硬くなる性質があるのでそのへんは考えた方がいいでしょう。
わからないことはお米屋さんに
一番良いのは、私を含めた最寄りのお米屋さんに聞けばその時のベストのお米を教えてくれると思います。
料理ごとに合うお米としていろいろな種類を販売しているお米屋さんも多いと思いますので、そちらを試すのも一つの方法ですね。
細かいことを言うと、お米屋さんによって料理に合うお米の品種がまったく違う特性のものをおすすめすることがあります。これは、そのお米屋さんにとってはそれがベストであると考えられていることであり決して間違いではないと思います。やはり最後は自分の好みになりますからね。
そして、そのお米を使用してもハズレはないと思いますよ。・・・たぶん（笑）
炊飯量によっても使用するお米は違います
おにぎりでも、コンビニやお弁当屋さんなど業務店が作るものは家庭用とは違う品種を使用することも多いです。
これは、家庭で炊飯するのとでは、炊飯量も違えばお米を炊く炊飯器の大きさや炊飯システムの規模も違いますので当然なのかも知れません。
またご飯や具に添加物等を使用することも多いので家庭で使うお米の品種とはおのずと変わってきます。
なにより、商売で作っているのでコストも考えなければいけません。ですからいくら品質が良いからと言っても仕入れ価格の高いお米は使用できません。
その点、ご家庭でのおにぎりは商売ではなく、お子さんやご家族のために愛情をもって握っているので味も格段に違いますし、添加物を使用することもないので安全安心です。そして、握ってくれている人がわかっていますよね。
ちなみに、一般的にはおにぎりに合うお米として一部ですが
コシヒカリ、ミルキークィーン、ひとめぼれ、あきたこまち、ゆめぴりか、あいちのかおり、アケボノななつぼし、つがるロマン、きらら397などがよく紹介されていますし、これらのブレンド米もありますね。
これも、少量炊飯と大量炊飯によって選ばれる品種が違います。
家庭用では少量炊飯なので上記でいうとコシヒカリ～ゆめぴりかあたりがいいのではないでしょうか。ま、コシヒカリが一番無難かも知れませんね。もちろん品質が大事です。
先にも述べているようにいつも召し上がっているお米でも十分美味しいおにぎりになりますよ。ただし、いつも召し上がっているお米がまずいなら考えてください。（笑）
私たち米屋が読む専門書などには、おにぎりに合うお米の特性として甘み、香り、粒粒感、粘り、もちもち感があった方が良いとされています。
ようするに普通に食べる白いご飯といっしょだということですね。
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