精白米の粒の色ってご存知でしょうか。
炊き上がったご飯だけを召し上がっている方は意外とはっきり知らないかも知れませんね。
もちろんいつもお米を炊いている方はご存知ですよね。
精白米は、精米や白米とも言われていますが文字通り白いんです。
白といっても、透明感のある白です。
牛乳のような白さではありません。
ただし、お餅などにするもち米は牛乳のような白い粒です。
しかし、近年普通の精白米にもち米のような乳白の粒が混じっていることが多くなってきています。
2019年産(令和1年産)の新米は特にこの乳白色というか白く濁ったが多く混じっています。
お客様の中には、もち米が混じっている、食べても大丈夫などお問い合わせをいただくこともあります。
なぜ乳白の粒が多く混じっているのか説明します。
目次
乳白の米粒は、もち米かな?
精白米に混じっている乳白の米粒ですが、結論から申し上げますともち米ではありません。
これは、私の店で販売しているお米に混じっている乳白の粒の場合です。
他店の場合は、わかりませんが大抵は私の店のお米と同様だと思います。
ただ、粘りのないお米にもち米を混ぜることはあります。
商品としてもち米入りのお米を販売はしていませんが
お米がパサついてどうにかしたいとおっしゃるお客様にはすすめることもあります。
その時も、私の店ではもち米だけを販売していますので
お客様自身に混ぜていただきお好みの粘りにしていただいています。
まぁ、ですから黙ってもち米を混ぜることはしないですね。
他店でもたぶんそうじゃないでしょうか。
あと、もち米ではないのですが低アミロース米という種類があって
その代表的な品種にミルキークイーンがあるのですが
このお米は少し乳白に近い色の場合がございます。
ちなみに、このお米は粘りが強いお米で普通のお米よりも
もち米に近い感じの食感です。
乳白の米粒は、食べても大丈夫?
はい、食べても大丈夫です。
これも、私の店のお米の場合です。
同じく他の店のお米でも大抵大丈夫だと思います。
乳白の米粒の混入量によっては食味が落ちることはありますが
食べてもまったく問題ありません。
ちなみに、3%くらいの混入だとご家庭で召し上がる場合は適度なおねばになって
美味しいお米になることもあります。
もちろんほとんど真っ白なくらい乳白の米粒ばかりの場合は美味しくないです。
乳白の粒が多いということは、そのお米がブレンド米でなく単一品の場合は
お米の品質自体がよくないことが多いので小さい粒やひび割れの粒、欠けた米粒も
混じっていることがありますから、当然食味や食感は通常より落ちます。
米粒の色が乳白になった原因は?
単刀直入にいうと、天候の影響です。
お米は田んぼで育てられます。
稲(いね)と呼ばれるお米になる植物を1度は見たことはありますよね。
その田んぼで稲を育てているときの天候が収穫されるお米に多大な影響を与えます。
天候の影響といってもいろいろありますが、乳白の粒になる原因としては
高温や日照不足などが代表的なものです。
特に最近では、高温による乳白の粒、白濁の粒になるケースが多いですね。
なぜ、乳白の粒になるのですか
簡単にいえば、お米のでんぷんの充実が不十分ということです。
だから、でんぷんに細かい気泡が入っていて米粒が白く見えます。
稲(いね)に穂(ほ)が出てから収穫するまでに夜の温度が高すぎると
米粒に蓄積されたでんぷんが夜も呼吸して分解されるのでこういうことになります。
人間も稲も夜は休まないといけないんですね。
だから昔から昼夜の温度差があるほうが美味しいお米が出来ると言われています。
こういう状況をお米の高温障害と言います。
こうした米粒を白未熟粒といいます。
ちなみに、青未熟粒というのもあります。
この玄米(精米する前の茶褐色の米)を精米すると乳白、白濁した粒として残るものもあれば
粉状質粒といい米粒が文字通り粉になり粒ではなくなるものもあります。
ようするに、米ぬかと同じようになってしまいます。
2019年産米の高温の影響は?
2019年産も8月に入ってからの高温によって乳白の粒になったものが多いです。
今年の場合は、特にひどく乳白の粒はもちろんのこと粒がちいさかったりひび割れしている粒も多いです。
私の店がある京都府やお隣の滋賀県も例年以上に品質が悪いお米が増えています。
日本有数の米処の新潟県などは、コシヒカリの1等比率が例年よりも極端に低くなっています。
ちなみに、1等米とはお米の品質を等級で表しています。
そのなかで1等米が一番品質が良いとされています。
そして、2等米、3等米、規格外と品質が落ちる等級となります。
私の店では基本的に1等米を仕入れていますが地域によっては1等米がないところもあります。
新米を1等米で仕入れましたが、ちょっとこれは1等米としてはダメだなという品質のものもありました。
本来お米の品質の等級の判定はきっちり定義されていますから
検査する人や産地それに年ごとの出来不出来で変わることは許されないことですが
実際は、正当な評価がされていないお米が多いです。
特にこういう品質の悪い年は多くなります。
販売するものとしては、改善していただきたいものです。
もっとも同じ産地でも収穫時期の違うお米の品種によっては
まったく問題のないできで収穫されているお米もあります。
いまのところ比較的早い時期に収穫されたコシヒカリはどの産地も乳白の粒の混入が多いです。
それに、粒も小さめであったりひび割れのある粒も多くなっています。
今年のコシヒカリは品質的に良い物がないかなと思っていましたが
先日入荷した新米の長野県のコシヒカリは例年と変わらない品質でした。
ですから、これから出てくる産地の新米コシヒカリに期待します。
さらには、品種によってはかなり高品質のお米も収穫されるでしょうから
早く全国の新米が収穫されるのを楽しみにしています。
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