8月も下旬になってくると早場米の新米の収穫が増えてきます。
沖縄県はもっと早いので別として、宮崎県のコシヒカリなど九州のコシヒカリ。
高知県、徳島県といった四国のコシヒカリや関東では千葉県のふさおとめやあきたこまち茨城県のあきたこまち等々
品種によってはもうすでに新米が収穫されています。
早く収穫された九州のコシヒカリは例年より若干粒が小さいようです。
もっとも地域によっても差がありますのですべてではないかもしれません。
これから晩秋までの期間は徐々に新米入荷が増えてきます。
楽しみですね。
でも、新米が収穫される前から新米購入を予約するのは注意が必要ですよ。
それはなぜなのかを教えちゃいますね。
目次
早場米の新米入荷!の宣伝を見かけなくなった?
ところで、米の販売店やスーパーの米コーナーなどで早い時期の新米を宣伝する新米入荷!といったお知らせが以前ほど大々的にされてないように思いませんか?
これは、米業界全体に広がっているように感じています。
以前なら、いち早く新米を食べたいというお客様が多かったのですが
近年は、そうでもないようになってきました。
いくつか原因として考えられますが、まずは価格ですね。
早く食べられる新米は、どちらかというと食味以上に早い新米だからという特別な価格があります。
通常の食味から考えて、少し高めということです。
また、最近の早く収穫される新米の出来があまりよくないことがあげられます。
もちろんその年にもよりますし、出来の良い新米がとれる地域もあります。
ただ、ここ数年は平均するとあまりぱっとしません。
それに加えて、8月9月は新米よりも美味しい昨年の産地品種の米が多くあることも原因のひとつです。
お米の保存方法も年々良くなっていますので品質の低下を抑えてくれます。
それに、昨年のお米といってもその産地の新米が収穫されるまではそのお米は古米でもありませんからね。
そこよりも早く収穫される新米と比べてということになります。
私の店では、年内は古米を持ってきてとおっしゃるお客様もいるほどです。
ま、これは好みにもよりますが新米は水っぽくべちゃっとした感じが嫌いというお客様ですね。
おもしろいことに、その逆でみずみずしい軟らかいお米が好きというお客様は新米がいいとおっしゃいます。
水っぽいとみずみずしいは表裏一体で、召し上がった方によりその表現方法が変わるということでしょう。
予約したが思ったような食味じゃなかった!
早場米の新米にしろ、普通の時期に収穫される新米にしろ収穫されるまえの予約注文は慎重に考えた方がいいですよ。
これは当然のことならがら、その年の新米の出来が良いか悪いかが分かっていないということです。
お米の場合は、毎年同じ産地の同じ品種が美味しいとは限りません。
天候次第では、いつもと違う産地品種の方が美味しい場合も多々あります。
とはいえ、毎年美味しいお米がとれる産地は大きく食味が変わることもありませんでした。
少なくとも最近になるまではです。
最近の天候不順はお米の品質や食味にも大きく影響を与える年が増えてきたように感じます。
ですから、せっかく予約注文した新米が予定よりもかなり遅れて届いたり、食味も思ったほどではなかったということもよく聞くようになりました。
まぁ、私のようにお米を販売しているものから考えると予約注文は非常にありがたいです。
前もって買ってくださることを約束していただいているんですからね。
でもあえて言うと、売る方にとってはありがたいですが、買われる方にとってはそうでもないと思いますよ。
もちろん、予約しておかないと絶対に購入できない希少なお米は別ですよ。
これは、美味しくてもそれほどでもなくても一度食べてみたいと感じているなら予約されるほうが良いと思います。
しかし、それ以外ならはっきり言っていつでも欲しい時に買えますから予約してまでも出来のわからないお米を注文しなくてもと思いますけどね。
早期に予約注文した場合そのお米以外に特典がいろいろついているものに関してはご自身の価値観による判断になります。
ここで申し上げているのは、あくまでもお米だけの場合です。
それに、価格面でも収穫される前の予約は難しいです。
私たち米を販売する店が産地や卸売会社と購入価格を決めて契約した場合は、新米の価格は早くからわかります。
ですから、お客様にも今年はいくらか正確な価格をお伝え出来ます。
しかし、そういう契約をしていないお米の場合は新米が収穫されたときの相場で売買されます。
ということは、先に予約注文いただいた場合の価格は高めに設定されていることが多いと考えられます。
販売する方にとってみれば、もうすでに決まった価格で買っていただくお客様がいるのであとは出来るだけ仕入れ価格を安く交渉するだけです。
ただ、この場合は逆もあります。
最近ではめったにないとは思いますが、大凶作などでお米の価格がめちゃくちゃ高くなった場合ですね。
前もって価格が決まっている新米を予約注文している場合はそのままの価格で購入できます。
でもこれは平成5年の大凶作クラスでないとなかなかないのではと考えられます。
仮にあったとしても、びっくりするほどの価格にはならないでしょう。
毎年いろいろな産地で新品種が開発されています
現在、各産地では新品種の開発ラッシュです。
いわば、米の戦国時代とでもいいましょうか、群雄割拠の世という感じです。
そう、今や日本のお米は美味しいのは当たり前なんです。
高温や大雨など天候不順でも品質や美味しい食味が損なわれないような開発もすすめられています。
ですから、今まで以上に美味しいお米が毎年いろいろな産地からでてくる可能性は高いです。
その中には、数量が少ないものもあります。
なので、そういうお米は予約注文されていても良いですね。
それから、農薬などが気になる方は、やはり信用のおける生産者や米屋などで予約注文するのも良いでしょう。
予約注文にもいろいろあり、新米など単発の予約注文や少量の単発予約注文。
毎月1回で1年、半年、3カ月など長期の予約注文もありますね。
途中でやめることの出来るものや、1回とばしなどが出来るものなど様々あります。
ですから新米に限らず予約注文する場合は、どういうふうなものかをじっくり読んでから、もしくはお店に説明してもらってから予約注文することをおすすめします。