おすしが大好物というかたは多いでしょう。
なかには、お家で作られる方もいらっしゃいますよね。
でもおすし屋さんで食べるのとは少し違った感じがしませんか。
そんな時はおすしに合うお米を使用してみるのもいいですよ。
目次
おすしに合うお米って
「おすしに合うお米ってありますか?」
とご来店されたお客様が尋ねられました。
すし店も営業している私の店の答えとしては、
厳密にいえば、おすしに合うお米は絶対にこれだという品種はありません。
品質の良いお米なら炊き方次第で美味しいすしめしになります。
ですが、一般的におすしに合うと言われているお米は何種類かありますし、各すし店には、こだわりの品種やお米の性質があるのもたしかです。
ですから、このお客様には、下記のようにお答えしました。
「ありますよ。現在私の店ですぐに販売できるすしに合うお米なら滋賀県産の日本晴という品種のお米です」
「プロ用には、私の店でブレンドしたすし米もあります」
「すし店さんでは、古米を使用するお店も多くありますが、一般のご家庭で古米を買われると余った場合困りますよね」
「だから、プロのような握りすしを作るのでなければ、今召し上がっているお米で水加減を控えて炊くことで美味しいおすしができますよ」
お客様「え、いつものお米でも大丈夫ですか?」
「そうですね。とれたての新米はちょっとダメですが、今頃のお米なら水加減を控えることで大丈夫です」
もちろん、このお客様が購入されているお米をわかっているからのことです。
ご注意してほしいのはすし用のお米を、普通のご飯として食べると、さほど美味しいごはんでないこともままあります。あくまでも、すしに合うお米です
ちなみに、私の店のすし店に限らず、すし店に販売しているすし米は、そのすし店の炊き方や合わせ酢などを考えてブレンドしたり単品の方が良いようであればそのままでお届けしています。
すし用のお米も様々です。
すし用のお米といっても、その作るすしによっても変わります。
握りすし、押しすし、ちらしすし等すしにもいろいろありますよね。
一般的に言われているのは、関東は江戸前すしには、ササニシキやはえぬき、あきたこまちなどが使われていることが多いようです。
関西では、日本晴、ハツシモ、朝日などが使われることが多いようです。
現在でも歴史的なことが関係しているようで、昔、関東では江戸前の握りすしで庄内米などが使われていました。どちらかといえば少し軟らかめのお米です。現在でもササニシキ、はえぬき、あきたこまち、中にはコシヒカリをすし米として使われています。
一方関西は押しすしで岡山の朝日という品種のような大粒で硬めのお米が使用されていたようで、現在でも少し硬めの日本晴や大粒の岐阜県のハツシモなどを使用しているすし店さんが多いですね。
その他にも、ヒノヒカリ、まっしぐら、祭り晴、あいちのかおり等々を使用している店もあり、またその道府県で栽培されている品種を使用しているすし店も多いですよ。
例えば石川県のすし店が石川のコシヒカリを使用していたり、同じ石川県でもある店は石川県の能登ひかりという品種を使用しているなど、その産地によりすしに合うお米がありますし、お店によっても違いますね。
ちなみに、石川コシヒカリを使用している石川のおすし屋さんですしを食べた時にお米のことを聞いたのですが、近くのお米屋の社長が「どうかこのコシヒカリをすしめしに使って」と頼まれたので使っているようでした。
でも、美味しいすしめしにするまでには炊き方や合わせ酢などすぐにはうまくいかず、ちゃんとしたすしめしにするまでにはけっこう大変だったとおっしゃっていました。「頼まれたので」(笑)お米を石川コシヒカリにした。こんなケースもあるんですよ。
でも、さすがに試行錯誤しただけあり、美味しいすしめしになっていました。
各品種とも古米をすしめしにしているお店も多いです。ま、硬めのお米を使用するお店が多いということですね。炊くのも水加減を控えて硬めに炊きます。これは、合わせ酢の糖分でごはんが軟らかくなるからということですね。
すしに合う米は合わせ酢によっても変わります。
関東の江戸前握りすしは合わせ酢に入れる砂糖が少ないお店が多く中には入れないお店もあるようです。お米の甘さだけで勝負といったところでしょうか。
関西は、関東よりは合わせ酢に砂糖を少し多めに入れるお店が多いように思います。
ですから、関西の人が関東に行っておすしを召し上がると少し酸味がきいていると感じることもあるのではないでしょうか。
この合わせ酢もお店によってこだわりがあるようですよ。
酢、塩、砂糖の割合はもちろんですが、その酢、塩、砂糖の産地や銘柄もいろいろあり厳選しているお店も多いようです。酢などは、赤酢や黒酢を使用するお店もけっこうあります。
ご家庭で合わせ酢を作る場合は、レシピサイトなどを参考にされると良いと思いますが好みになりますので微調整は必要ですよ。また、簡単にするなら市販のすしめしの素的な調味料を使用すると意外と失敗なく美味しいおすしができます。
最後に、すし米コンテスト・国際大会というすし米のランクを決める大会があるのですが、ここでは粘りのあるお米から硬いお米まで、小粒から大粒までいろいろなすしに合うお米はこれだと考えている各産地の生産者が出品しています。すしに合うお米というのは作る人、売る人、買う人、食べる人によって様々なことを再認識しました。
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