土佐天空の郷(とさてんくうのさと)をご存知でしょうか?
土佐(とさ)というのは高知県のことです。
そして、まるで天空を思わせるような地。
そんな地で作られているお米が「土佐天空の郷」なんです!
この「土佐天空の郷」は平成21年産米から販売を開始しました。
ですから令和になった今年で10年目の新米が収穫されたということです。
では、土佐天空の郷とはどのようなお米なんでしょうか?
このお米の魅力をご紹介いたします!
目次
土佐天空の郷が生まれた背景
土佐天空の郷は、高知県の本山町という産地で作られています。
本山町は四国の中央に位置していて四方を標高1000m級の山々に囲まれています。
実に91%が山林なんです。
ということで、そこで作られるお米は平地の田んぼではなく
棚田(たなだ)になります。
傾斜が急でけわしい地理的条件から、この地域の農家は水田へ水を引き入れるため、谷川から何kmもパイプを張り巡らせる工夫や機械の乗り入れが困難な水田は手作業で管理するなど、大昔から継承された棚田を守ってきています。
さらには、これらの水田を維持していくには、水田と水田との間に土を盛り上げてつくった堤(あぜ)の草刈りや、田んぼの土をこのあぜに塗り付け、割れ目や穴を防ぐ作業、それに水管理など、ほ場整備された平坦な水田に比べると非常に耕作条件が不利なことから厳しい経営となっていました。
さらには消費者の米離れなどの影響もあり米価の低迷、そして米作りに大切な肥料の高騰などにより、水稲での経営が困難な状況となっています。
これでは当然ですが、この地域での稲作をしようという後継者がでてきません。そして農家の高齢化が進行しています。
このままでは、せっかくの棚田で米作りをする農家が減っていくことなります。
そうなると、水田と共に築かれてきたこの地域の農山村の暮らしや環境もなくなっていくことになります。
そこで、本山町特産品ブランド化推進協議会を設立したのです。
この協議会では、この地域ならではの付加価値がどんなものなのかを考えました。
方法としては、試食アンケートの実施や地域の歴史の掘り起こし、地域に残る環境、良食味の品種や生産方法の追究などを1年間の調査を重ね、ブランド化戦略を決定しました。
そうして、出来たのが本山町のブランド米「土佐天空の郷」なんです。
土佐天空の郷の品質や食味は?
地域一丸となって作ったブランド米「土佐天空の郷」ですがその品質や食味はどうなのでしょうか?
2010(平成22)年産米から販売を開始したのですが、その取り組みなどが評価されて様々なメディアに取り上げられ紹介されました。
同時に、全国各地で開催される品評会に出品していて、「米・食味分析鑑定コンクール」では、2009(平成21)年産、2010(平成22)年産と特別優秀賞、2011(平成23)年産と2012(平成24)年産は連続して金賞を受賞しています。
さらに、2010(平成22)年11月に開催された「お米日本一コンテストinしずおか」では、西日本で初めて、コシヒカリの品種以外でも初めて最高峰の最優秀賞に選ばれている。
この話題は、大きく取り上げられ日本一おいしいコメとして知名度を高めたのである。
2016(平成28)年にも同じ大会で2回目の『特別最高金賞』を受賞しています。
この土佐天空の郷を作っている全生産農家は、県が認定するエコファーマー(土づくりや減化学肥料、減農薬など環境に配慮した農業者)を取得し、環境に配慮したお米作りに励んでおられます。
ということで、品質にしても食味にしても高いレベルのお米であることは実証されています。
ただし、この地で作られたからすべて土佐天空の郷として販売されるわけではありません。
土佐天空の郷として販売するには食味分析機で基準値以上の評価を得ることが必要です。
その基準値が非常にレベルの高い数値になっているため大変厳しい審査になっています。
それに合格したお米だけが土佐天空の郷として販売することができるのです。
2019年産米土佐天空の郷の食味は?
さて、それでは2019年(令和元年)産の土佐天空の郷の食味はどうなんでしょうか?
ここ数年全国的に天候不順で品質の悪いお米が多いです。
特に2019年産は8月の高温がお米にかなりの悪影響を与えることになりました。
米処の新潟県産コシヒカリなども珍しく品質の悪い年になっています。
コシヒカリは新潟県に限らず今年は品質が良くないですね。
そこで、土佐天空の郷はどうか?
気になるところですね。
ここ数年厳しい審査を合格したお米とはいえ、地域や生産者によっての品質や食味の差が大きかったんです。
食味や食感にあのデビューしたての時の強烈なインパクトがない年が増えてきていました。
もちろん天候の問題は大きな要因ではあります。
しかし、今年に新米で現在私の店に入荷している土佐天空の郷ですが、美味しいです!
土佐天空の郷は同じ産地とはいえ、地域や生産者が複数あります。
ですから、正確にいえば現在入荷しているお米に限ってはということになります。
今年は他の産地のお米の品質や食味が良くないのでそう思うのかもしれませんが、ここ数年ではかなりいい出来ではないかと感じています。
すでに購入されたお客様もそう感じたのか、リピート率が良いですね。
この土佐天空の郷は、ヒノヒカリという品種と、にこまるという品種があります。
私が試食した感想としては、両方とも美味しいお米でした。
それぞれの特徴としては、
ヒノヒカリはもっちり甘く、しっかりとした食感が特徴です。口当たりはやや固めで、噛むほどに旨みが広がり、冷めても味が落ちないのでお弁当にも最適。
にこまるは粒揃いが良く、ふっくら炊き上がり、色白でつやつや。粘りがあり、もちもち食感と甘みが身上です。
どちらかというと、にこまるのほうが粘りがあるのですが、現在入荷しているヒノヒカリの方もけっこう粘りがありました。
甘みも両品種ともあり今年の新米のなかでは両方ともトップクラスのお米であることは確かですね。
ただ、今年は契約数量が少し減っていますので年間を通じて販売できないかもしれません。
これから、贈答用のお米の注文も増えてきますが、今年は有名な産地のお米の品質や食味が例年より良くないのでこの土佐天空の郷に変更されるお客様も増えそうです。
一度、試しに食べてみようとお考えなら
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