何事にもエコ活動が活発ですね。
いつ頃からかこのエコという言葉を見聞きすることが増えています。
エコはエコロジーの略称で生態系、自然環境保全を意味します。
農業などはまさにエコと関連のある仕事といってもいいでしょう。
そんな農業のエコファーマー認定制度って知ってますか?
目次
エコファーマーとは?
エコファーマーとは、環境にやさしい農業に取り組んでいる農業者のことを言います。
農水省のホームページページには、平成11年7月に制定された「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(持続農業法)」第4条に基づき、「持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画」を都道府県知事に提出して、当該導入計画が適当である旨の認定を受けた農業者の愛称名で、平成12年8月の「全国環境保全型農業推進会議(会長:熊沢喜久雄東京大学名誉教授)」に寄せられた応募の中から選ばれたものです。
エコファーマーになると、環境保全型農業直接支払交付金による支援や農業改良資金の特例措置が受けられます。
なお、「エコファーマー」の「エコ」は、エコロジー(生態学)に由来しますが、「エコマーク」「エコビジネス」など、環境にやさしいもの、配慮したものの象徴として広く親しまれている用語です。
また、選考の場では、仏教用語の「依怙(えこ)(神仏に依り頼むこと)」になぞらえ、自然や環境との調和を拠り所とするとする「エコ」もこれに通じる、あるいはエコファーマーに環境を「えこひいき」してもらおう、という声も聞かれ、全国環境保全型農業推進会議の場で全会一致で決まりました。
簡単に言えば上記の「持続農業法」という法律に基づいて、環境にやさしい農業に取り組みますとよいう計画を立て、都道府県知事の認定を受けて、その計画した目標を達成するよう努力している農家の方です。
エコファーマーになるにはどうするの?
奈良県の説明がわかりやすいのでご紹介しますね。
まず計画づくりや計画達成 の取組は、県農林振興事務所がバックアップします。お役所に出す計画書ってけっこう面倒ですから手伝ってくれるとありがたいですよね。
エコファーマーになるまでの流れを説明します。
①環境にやさしい農業に取り組む 5年間の計画を立てます
②計画書を県に提出
③計画書の内容を 審査します
各作物ごとに定めている 都道府県の指針に沿っているか? 達成可能な計画か?
④認定証を発行 (県知事認定)
⑤エコファーマーに認定! 計画に基づいて、環境にやさしい農業にがんばります!
エコファーマーが取り組む 環境にやさしい農業って何?
エコファーマーは、環境にやさしい農業の取組として
①土づくりの技術、②化学肥料を減らすための技術、③化学合成農薬を減らすための技術の3つを一体的に取り組んでいます。
奈良県の場合は、3つの技術で 化学肥料・ 化学合成農薬の3割以上低減をめざします。
化学肥料・化学合成農薬の低減率は都道府県によって違います。
土づくりの技術土壌診断を行い、たい肥などの有機物や緑肥作物(レンゲなど)を土にすき込むことで、農作物の生育に適 した豊かな土づくりを行います。
化学肥料を減らす技術農作物の根の周辺に肥料を与え、植物が利用しやすくすることで肥料の量を減らしたり、鶏ふんなどの有機質肥料等を利用して化学肥 料の施用量を減らします。
化学合成農薬 を減らす技術天敵を利用して害虫を減らしたり、農作物をネットなどで覆って病害虫による被害を軽減させる等、化学農薬の散布回数を減 らします。
環境にやさしい取組の例
これは、お米作りの場合です。
田植え前の土づくりは、レンゲを植え、田にすきこんで、土づくりを します
田植えする稲の種子は化学農薬低減し、種子をお湯につけて消毒し、病害を防ぎます
化学肥料低減 油かすや鶏ふんなど有機質の肥料を使い ます
化学農薬低減あぜの雑草を 刈って、害虫 や病気を防ぎます
稲刈りが終わった後土づくり 稲のわらを秋にすきこんで、土づくりをしま す
エコファーマーの認定状況は
平成30年3月末現在のエコファーマーの認定件数は、111,864件で平 成29年3月末に比べ、17,525件減少しました。
新規認定件数は3,985件となっており、平成29年度内にエコファーマ ー認定を受けた件数の23%に留まっています。
認定件数が減少した背景としては、やはりここでも高齢化による離農があげられます。日本全体が高齢化になっていますが農業関係は特に高齢化がすすんで担い手不足は否めませんね。
それにエコファーマーに認定されても農産物が高く売れるとは限らないようで今までエコファーマーだった方が再認定申請を行わなかったようです。
たしかに、通常よりもコストのかかる農業の取り組みになりますからそれに見合う収入がないとやっていられないですね。土壌診断が必要な場合など分析費など自前でださないといけないケースもありその他、もろもろ経費がかかるようです。
もともとこだわった栽培方法をされている方の中には、わざわざエコファーマーの認定をもらわなくてもいいと農産物を販売されている農家も多くいらっしゃいます。
でも、買う立場からするとそういう認定のある農家の方が安心して購入できるのですが価格的に双方がうまく良いようにはならないものですね。
ちなみに、このエコファーマーですが農産物の中でも水稲(お米)の農家の方が圧倒的に認定されている方が多いです。やっぱり日本農業の中心は米なんですね。
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