新之助は新潟県が魚沼産コシヒカリと違ったタイプのハイブランド米として開発したお米です。
令和4年産の新米が入荷したので精米試食をいたしました。
新之助の新米の品質や食味、食感をご紹介いたします。
ちなみに、評価は現在私の店に入荷した新米に限ってですから
新潟県すべての地域の新之助の評価ではございません。
目次
新米!新之助の品質は?
農産物検査では最高位の1等米の新米新之助でした。
昨年も1等米を仕入れていましたが昨年よりは良いですね。
というか、昨年の新之助は1等米でも精米すると割れる米粒が多かったです。
ですからはじめの頃だけ少し販売いたしましたが
あまりにも割れる米粒が多かったため途中で販売を中止いたしました。
というのも、米粒が割れてしまうとべちゃっとしたご飯になるからです。
新之助の大粒の粒感が好きで購入されるお客様にとっては逆の食感になります。
そういう点からすれば令和4年産は精米しても粒がきれいですね。
ここでいう品質は農産物検査を受けての評価からです。
主に見た目のきれいさ、外観の良し悪しで判断しています。
食味や食感の評価は別の項でご紹介しますね。
新米!新之助の食味、食感は?
粒感もあり甘みもありました。
精米は少し黒いかなとおもったのですが炊き上がりは艶もありました。
香りも良かったですね。
昨年の印象が強いので余計にそう感じたのかもしれません。
試食はすべての品種で同じ重さで水加減しています。
新之助の場合はもう少し少なめの水加減にしたほうがより食感がよくなったのではと思います。
コシヒカリのような粘りとは少し違った食感ですから好みは分かれるところでしょう。
コシヒカリを好みでない人には一度召し上がっていただきたいですね。
新之助について私見
新之助のデビューの際、美味しさにこだわった3つの基準というのを打ち出していました。
1.玄米のタンパク質含有率
2.整粒歩合
3.水分含有率
1.玄米のタンパク質含有率
玄米のタンパク質が多いお米は美味しさが低下し、外観にくすみがでることがあるという理由から適度に低い方が良い。
2.整粒歩合
米の粒揃いが良いと粒感のあるむらのない美味しさになる。
3.水分含有率
水分は高すぎると保存性に影響が、低すぎると美味しさに影響がある。
これらの理由で3つの基準値をそれぞれ決めて栽培されています。
私の個人的な見解
あまりにも数値目標を厳格にしすぎると良くないこともあるのではないかなと。
美味しいお米を作ることを目的にされているのに、
基準値を達成することが目的になってしまっては本末転倒ではないでしょうか。
その基準値に達成したお米が必ず品質の良い美味しいお米なら問題はありません。
しかし、昨年1等米として入荷した新之助はひどかったです。
もちろん、私の仕入れた地域の新之助なので、すべての地域がそうだったのかはわかりません。
ただ、昨年産の新之助について同業者と何人か話をしたところ同じような意見が多かったですね。
新之助は新潟県が力をいれている品種です。
ですから、基準値を設けて美味しいお米づくりを目指されています。
それに応じた基本的な栽培方法は確立されているでしょう。
それは良い試みだと思います。
販売店としても説明がしやすく安心です。
基準値達成で品質も良く美味しいお米が一番望ましいです。
とはいえ、近年は天候不順の年がとても多くなっています。
農作物であるお米は、天候にその年の出来が左右されますよね。
時には数値が基準を下回ってしまう可能性があっても
美味しさを優先する栽培方法をとっても良いのではないでしょうか。
こんなことを言っていると、農家の方々から
米づくりをしたことがないものが偉そうに言うなとおしかりを受けそうですね。
当然だと思います。
美味しいお米を追求して最善の栽培をしてくださっていることと思います。
私が口で言うように簡単なことではないでしょう。
でも、品質や食味が良くないと最終的に販売している私たちが一番苦情をいただくのも確かなことです。
それもわかっていただきたい。
まぁ、でも今年の新米は良かったので一安心です。