お米が収穫される時期っていつなんでしょうか?
意外と知らない方もいるようです。
日本列島は縦に長いですから、同じ品種でも収穫される時期が多少ずれます。
でも基本的にはお米は秋が収穫の時期ですね。
目次
お米が収穫される時期
Q
お米って、いつ収穫されるのですか?
A
品種によって違うのですが早い産地だと6月に収穫されるお米があります。
一番多く収穫される時期は9月から10月にかけてですが中には11月頃に収穫されるお米もあります。
私は米屋なので、知っていて当たり前の感覚があるのですが、意外とお米が収穫される時期を知らない人がいるようです。
私も、ほかの農産物の収穫期って知らないものもたくさんありますから自分に関係のないものってそんなものなんでしょうね。
それでも農産物の中では、まだお米の収穫期は認知されているほうかも知れませんね。
なかには、お米って年に何回収穫されるのですか?と質問される方もいらっしゃいます。
日本の場合は年1回のところがほとんどです。沖縄県など暖かい産地では年2回のところも少しですがあります。
ちなみに、同じ耕地で1年に2回同じ作物を(主にお米ですね)栽培し収穫することを二期作と言います。
たまに、二毛作って言う方がいらっしゃいますが、これは同一の耕地に1年に2回別の作物を作付けすることでお米を2回の時は言いません。例をあげるとお米の収穫が終わった秋頃から大麦や小麦を栽培するようなことですね。
早稲、中稲、晩稲
早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)
農作物や果物では、早生、中生、晩生と書きます。
お米の場合は稲の字が入る方を使いますが
最近では、生の字を使っている方が多いですね。
ここでも生の字を使います。
PCの変換もこちらが一番に出てきますので(笑)
稲の成熟の遅速によって分けられています。
稲の果実がお米です。
早生(わせ)は、稲の品種の中で、早く開花・結実・成熟するものです。
中生(なかて)は早稲と晩稲の中間期に成熟する品種。
晩生(おくて)は、比較的おそく生長・成熟する品種。
早生より早い極早生(ごくわせ)や晩生より遅い極晩生(ごくおくて)
なんていうのもあります。
あと、中生の早とか早生の晩とか各々の中で早と晩があります。
こういう言葉は農業産地関係の人なら使うこともあるかも知れませんが、私などはあまり使うことがありません。ま、せいぜい使ってもたまに早生(わせ)か晩生(おくて)かくらいでしょうか。
ちなみに、「あの子は奥手だ」というのも。成長、成熟のおそいことです。
広辞苑では「おくて」を調べると同じ意味で奥手・晩生・晩稲の3つの漢字になっています。
知名度のあるお米ではコシヒカリは中生(なかて)の品種です。
「新之助」の出穂期及び成熟期は「コシヒカリ」よりも 7 日程度遅い晩生(おくて)です。
早い時期に収穫されるお米を早生、遅い時期に収穫されるお米を晩生としていることが多いように感じますが、実際は上記に書いたようにコシヒカリという品種は中生です。新潟県農業総合研究所作物研究センターの資料にもコシヒカリ(コシヒカリBLですが)熟期が中生(なかて)になっていました。日本穀物検定協会の図説米の品種でもコシヒカリは中生になっています。
早晩性というのは、収穫期までの栽培期間についての特性なので早い時期に収穫されるからすべて早生とも限らないということですね。感温性(温度が高いと促進され低いと遅延すると言われています)や感光性(光の照射によって変化する性質)の影響が大きいと言われています。
この感温性と感光性の影響は品種によって違います。
しかし、宮崎県や高知県のコシヒカリのように7月下旬や8月初旬に収穫されると早生というか極早生と言いたくなるのもわかりますし、言ってる産地もあります。でもこれは、早場米(はやばまい)とか早期米というのが適正なのかな。産地によっては早い時期に収穫されるコシヒカリを早生と紹介している産地も多くあります。
比較的早い時期に新米が収穫されるお米に早生(わせ)が多いので
早い=早生(わせ)ということになってしまっています。
秋田県のあきたこまちという品種は早生(わせ)です。でも収穫される産地が秋田県の場合は9月中旬から下旬頃です。収穫される時期から言えば早生とは思いませんよね。
晩生の品種で岐阜県で古くから栽培されている「ハツシモ」という品種は、その名前からしてもわかるように初霜の降る頃に稔る、晩稲の早にちなんだもので10月末頃に収穫されます。
ちなみに、コシヒカリと同じ父(農林1号)と母(農林22号)からできたお米に越路早生(こしじわせ)という品種があります。
コシヒカリより3年早い昭和28年に新潟県で育成されました。(コシヒカリは昭和31年に福井県です)名前の由来は北陸地方に広く普及する早生の品種ということを表す。ことからです。最近では、作付けも少なくなっているようですが新潟県で作られています。私も十数年いや、二十数年以上仕入れていませんね。この越路早生ですが父と母はコシヒカリと同じでありながら名前からわかるように早生(わせ)の品種です。コシヒカリと同じ日に田植えしても14日も早く成熟期になります。ま、人間の兄弟でもいろんなタイプがいますからね。(笑)
同じ品種でも産地によって収穫期が違う
コシヒカリで一番早く収穫されるのは宮崎県です。7月下旬には収穫されます。
もうちょっと南の方で作っている農家があればそちらの方が早いかも知れませんが一般的には宮崎県の認知度が高いですね。数量も多いですから。
遅い産地では東北方面で10月頃ですかね。その年の天候にもより多少の前後はあります。
山間と平野部でも違います。
同じ品種なら暖かいところから順番に収穫されていきます。
品種が違えば同じ産地でも遅く収穫されます。
例えばヒノヒカリという品種は九州地方から関東地方くらいまで作付けされているのですが、このヒノヒカリは収穫時期が遅い品種です。比較してわかりやすい県でいうと宮崎県でも作られています。宮崎県のコシヒカリが7月下旬の収穫に対してにヒノヒカリは10月にならないと収穫されません。同じ産地でも品種が変われば収穫時期が違うことがわかりますね。
でもこのヒノヒカリという品種は中生(なかて)なんですよ。
同じ産地で違う品種を植えるわけ
1年で一番忙しい時期と言われている収穫期。稲には刈るときの適期というものがあります。その適期「完熟期」に刈り取ったお米はとても美味しいものとなります。しかし、このお米を刈り取る一番いいときの完熟は3日ほどしかないのです。どれだけのお米を作っているのかという数量にもよりますが、天候の加減などによりその間にすべてを刈り取るのはまず難しいので完熟期になる少し前から刈りはじめ最終的にはその完熟期内で終了させるようにしています。もしここで完熟期から数日も過ぎると胴割れ米(どうわれまい)と言ってお米が割れることになります。胴割れ米を精米するとバキバキにお米が割れべちゃっとしたり団子のようにくっついたりうまく炊けなかったりと品質がものすごく悪いお米になります。
このように収穫は時間との勝負みたいなところがあります。多く作付けしている農家さんほど大変だと思います。ですから、その収穫時期を違う品種によって分散させることによって多少は効率よく収穫できるようになります。
それに、天候不順などで刈り取りが出来ない状態が続いても、収穫時期が違えばすべての品種ががダメになることを防ぐことにもなります。
これらのことから違う品種を作付けする農家さんがいるのです。
ま、中にはいろんな品種を試しに作付けされている農家さんもいるかも知れませんけどね。
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