お米の雑学 米品質・米特徴

低たんぱく米販売していますか?味の比較は

投稿日:2018年12月4日 更新日:

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近頃低たんぱく米販売していますか?という問い合わせがたまにあります。

病気が理由でタンパク質の摂取を制限されている人が増えているようですね。

同じ食べるなら美味しいほうがいいですよね。

低たんぱく米も数多く販売されていますが味はどうなんんでしょう。

低たんぱく米とは?

Q、低たんぱく米販売していますか?

 

A、 以前はしていましたが、現在はしていません。でも低たんぱく米を販売しているお店は紹介します。

 

低たんぱく米とは主に腎臓病患者でタンパク質の摂取を制限されている方用にタンパク質の含有量を調整したお米です。

 

試食したことはありますが、はっきり言って普通のお米よりはまずいです。
どうしても、含有量を重視していますので仕方ないと思います。まずは病気のためです。
メーカーによっては、美味しいとまではいきませんがそれなりの食味のものもあります。

私の店でも、平成22年頃から販売していましたが現在は販売中止しています。
その時扱っていた商品は、低たんぱく米の中では美味しいといわれているお米でした。
このページ下部に紹介しています。

 

低たんぱく米との出会い

平成22年にお客様より「低たんぱく米を販売していないか」と質問があったのがきっかけです。

そのお客様はすでに腎臓病を患いお医者様から1日のタンパク質の摂取量をかなり制限されていました。
当時私の店ではこの低たんぱく米というものをおいていませんでした。

ただ、そのお客様も買うお店がなく困っていらっしゃいましたので、なんとかできないかということで、そのお客様がお医者様に紹介してもらったタンパク調整米を作っているメーカーに私が問い合わせをして、なんとか私の店で仕入れることができないかと相談いたしました。

 

すると、ちょうど私の店と同じ京都市に取引のある卸会社さんがあるというではないですか。
その会社の連絡先を聞き、早速連絡し、ことの次第を説明しました。

後日、その会社の社長さんが自ら私の店に来られていろいろ商品について説明をうけました。
なんでも、ちょうど私の店の斜め前にあったパン屋さん(現在はありません)が取引先らしくそのついでもあったようです。(笑)

 

その時すでに、タンパク質を調整した商品が米だけでなくパンや菓子類もあったのですが注文数量の最低量もあったので、とりあえずお米だけを仕入れることにいたしました。

 

それでも、1kg入りが18袋で1ケースを最低2ケースということで、そのお客様だけでは36㎏買っていただくのはちょっと無理がある数量でした。

 

それに、価格もかなり高かったのでどうしたものかと考えたすえネットで販売することにしました。
1袋単位で販売することにしました。正直利益はほぼありませんでした。

 

でも、病気を患っているお客様を見過ごすことができないので、とにかく賞味期限が切れるまでに全量販売したいと思っていました。そうしないと次に仕入れることもできません。

さすがに廃棄する方が多くなるようでは仕入れを断念するしかないですよね。

 

どうなることかと思いながら細々とネットで販売していると、ポツリポツリと注文が入りだしました。
中には1ケースで注文される方もおられ、なんと腎臓病の方が多いのかと驚かされました。

 

当時は、こういった商品をネットでばら売りするところも少なかったからかな。

 

なんとか、ケース単位で仕入れても確実に販売できるめどが立ちホッとしました。
でも、いやらしい話ですが利益はほぼなしでした。(笑)

 

腎臓病患者が増えているから低たんぱく米の需要が

当時のことです。この低たんぱく米を販売するにあたり、なぜこんなにも腎臓病患者が多いのかちょっと調べてみたのですが、どうやら生活習慣病の糖尿病の患者さんが合併症で腎臓病になっていくということでした。ひどくなると人工透析を余儀なくされ生活の質がおちてしまいます。そうならないために、食事制限で症状を緩和しようとこの低たんぱく米の需要が増えたようです。

 

考えてみたら、普通のお米を食べているとそれだけでタンパク質摂取量が増えますから、おかずを減らさないとタンパク質を摂りすぎることになります。

 

お米のタンパク質が少なければその分たくさんおかずを食べられるので少しは食事も楽しくなりますよね。もちろんいろいろ制限があるので普通の味ではないかもしれませんが。

 

実は、私の亡くなった母も人工透析をしていました。ま、私の母の場合は妊娠中毒で体調を壊した後無理をし過ぎて腎臓病になったのです。その後十数年一進一退の病状だったのですが1977年に人工透析をすることになりました。当時お医者様に「10年生きられたら表彰もんです」と言われたと母がいっていました。最終的には、15年生きてくれました。それだけ当時はまだ人工透析も大変なことだったみたいですね。それに比べて、現在では格段に医療技術もすすんでいるのでそんなことはないと思います。

 

そんなこともあり、お客様の要望に応えたいと思っていました。

 

低グルテリン米

以前は低たんぱく米とも言われていましたが
タンパク質のひとつで、消化されやすいグルテリンの割合が少ない品種です。

こちらも腎臓病患者さん向けの病態食として販売されています。
「春陽(しゅんよう)」「エルジーシー1」「LGCソフト」
エルジーシー1とひとめぼれからできた「ゆめかなえ」などが低グルテリン米の品種です。

 

ただ、こちらのお米はほぼ普通のお米と同じですが、タンパク調整された加工米ではないのでタンパク質の含有量が明確にできないので1日のタンパク質の摂取量が決められている方にとっては計算しにくいですね。

さらに、これらの低グルテリン米と呼ばれる品種についてですが、農研機構というところで下記のように説明されています。

他品種に比べて総たんぱく質含量は他の品種と変わりませんが、消化酵素に対して易消化性のたんぱく質(グルテリン)の割合が低い品種もあります。

しかし、これらの品種については、たんぱく質のヒトでの消化量は定量されておりません。また、腎臓病患者に対する効果は確認されていません。

「腎臓病患者向け」等の表示を行うためには、内閣総理大臣の許可が必要であることから、農研機構は、健康増進法に違反する不当な表示は行わないように要請しています。

また、「低たんぱく米」と表示される例もありますが、総たんぱく質含量は他品種と大きな差はありませんので、「低たんぱく米」という表示は事実と異なります。

さらに、「低グルテリン米」と呼ばれることもありますが、「低グルテリン」の定義は確立していませんので、「低グルテリン」という表示も避けるよう要請しています。

ということで、やはり1日のタンパク質摂取量をお医者様から決められている場合はタンパク調整米の方が確かだということですね。

 

私の店でもスポット的には仕入れることはできますが、常時販売はしていませんし現在はございません。

 

 

なぜ、低たんぱく米の販売をやめたのか

ネットでもぼちぼち売れていたのならなぜ販売をやめたのですか?
その後、実店舗でも他のお客様が腎臓病になりお買い上げいただいていました。口コミで病院から紹介されたお客様もご来店されるなど需要はありました。

 

しかし、数年前に私の店が仕入れていた卸売会社さんがネット販売をはじめられ、低たんぱく商品もお米やパックごはんをはじめパンや菓子などいろいろあります。私の店ではお米だけしかないので患者さんにとってできるだけ食べる選択肢があるほうが良いと思い販売するのをやめました。

 

それと、実店舗で購入いただいていたお客様もご高齢でお亡くなりになられたこともあり、その後は問い合わせ等あったときもその卸売会社さんを紹介させていただいています。

 

あっ、それとそのメーカーのお米ですが試食しましたが、普通のお米に比べてならお世辞にも美味しいとは言えませんが、この手のタンパク調整米の中では美味しい商品になっていますので、タンパク質の制限がある方やお知り合いでそういう方がおられたら一度お試しください。

お米以外にもタンパク調整された食品がいろいろありますよ。

 

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